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相次ぐ大学入試「随時」のトラブル、入試の公正管理の責任はどこにあるのか

相次ぐ大学入試「随時」のトラブル、入試の公正管理の責任はどこにあるのか

Posted October. 19, 2024 08:34,   

Updated October. 19, 2024 08:34

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「修学能力試験(修能=日本の大学入学共通テストにあたる)の最低基準がなく、論述試験100%で合否が決まる入試選考だった。延世(ヨンセ)大学の試験管理監督能力は、中学・高校にも及ばないようだ」

12日に行われた延世大学の随時募集の自然系論述試験で、監督官のミスで試験開始1時間前に一部の試験会場で試験用紙が事前に配布される事件が発生した直後、ある入試コミュニティに投稿された受験生の書き込みだ。

監督官は誤りに気づき、15分後に慌てて問題用紙を回収したが、この試験会場の受験生31人は、試験用紙を回収した後も自習時間があり、携帯電話を使用することができたという。試験開始前からインターネットコミュニティに問題に関連する情報が掲載され、物議を醸した。また、試験中に問題の誤りが発見され、試験時間が20分延長されたりもした。「名門私学」という名声にふさわしくない延世大学の入試公平性管理能力が露呈した一幕だった。

その後、延世大学は「一人の監督官のミスで生じたことだが、試験の公平性を損なう行為は把握されていない」とし、「再試験はない」という立場を繰り返している。しかし、入試業界では、監督官のミスで受験生9667人のうち31人にのみ試験用紙が事前に配布されたという事実だけでも、すでに「公正性」に疑問が生じているという反応が出ている。

ことの発端は、監督官のミスによる試験用紙の事前配布だが、学校側は問題の責任を情報を流出させた一部の受験生に転嫁している。延世大学は、試験情報などを流出させたと思われる6人の受験生を警察に業務妨害の疑いで告発した。管理の不備で問題のきっかけを提供した延世大学が「被害者」であるかのように振る舞う印象だ。

世論が沸くと、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領まで出てきて、責任者は徹底して問責し、再発防止のために厳正に措置するよう注文した。随時選考は大学の自主試験であるとして、大学の措置を見た後に対応すると言っていた教育部も、関係者に対して厳正な責任を問う考えを示した。

随時選考の過程で「雑音」が出た大学はまだある。13日に行われた漢城(ハンソン)大学ICTデザイン学部の基礎デザイン随時実技試験では、監督官のミスで提示語の写真資料が試験開始40分後に配られた。12日に行われた檀国(タングク)大学音楽部の随時試験では問題1問が試験開始50分後に配られ、物議を醸した。漢城大学は、「被害を受けた受験生の答案を評価する際、関連状況を適切に反映させる」と明らかにしたが、どのように公平性を維持しながら状況を適切に反映して評価できるのか疑問だ。

韓国社会では、早ければ幼児の頃から異なるスタートラインで「大学進学」というゴールに向かって走る。親たちは子どもたちを良い大学に送るために、過度な私教育費を支出する。そして、大学は高等教育法に基づき、公正な入学選考の運営に対する義務を課されている。大学入試の公正な運営は、韓国社会が大学に期待する基本的な責務なのだ。

にもかかわらず、学習塾の「レベルテスト」でもなかなか起こらないアマチュア管理が複数の大学入試過程で露呈した。大学は過ちを隠蔽することに汲々とするのではなく、重大な責任感を持って真相を把握し、受験生が納得できる措置を講じなければならない。