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北朝鮮「韓国無人機の決定的な物証」と残骸写真公開…韓国軍「北朝鮮の自作自演の可能性」

北朝鮮「韓国無人機の決定的な物証」と残骸写真公開…韓国軍「北朝鮮の自作自演の可能性」

Posted October. 21, 2024 08:46,   

Updated October. 21, 2024 08:46

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最近、無人機(ドローン)が北朝鮮の平壌(ピョンヤン)上空に3回も侵入したことと関連して、韓国軍と政府当局が、「韓国の領空から北朝鮮に行った無人機はなかった」と結論を下したという。韓国政府が無人機を飛ばして「反共和国扇動ビラを散布した」という北朝鮮の主張とは異なり、韓国当局が北朝鮮に送った事実自体がなく、韓国の民間団体などが韓国から飛ばした無人機の航跡も確認されなかったということだ。当局は、北朝鮮の自作自演の可能性に重きを置いている。一方、北朝鮮は19日、平壌で発見された無人機の残骸の写真まで公開して韓国軍が運用している無人機と同じ機種だとし、韓国当局によるものだと繰り返し主張した。

20日、東亜(トンア)日報の報道を総合すると、韓国軍と政府当局は、北朝鮮が無人機が平壌に侵入したと主張した時期(今月3、9、10日)はもとより、今月の全ての航空機の航跡を追跡・分析した。その結果、韓国上空から北朝鮮に渡った無人機は全くなかったという結論を下した。合同参謀本部だけでなく、各部隊などでも同じ結論を下したという。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の執務室がある朝鮮労働党本部庁舎の上空など平壌の「心臓部」が突破されると、韓国軍が「遠距離偵察用小型ドローン」を飛ばしたのではないかという観測が流れた。最前方である京畿道坡州(キョンギド・パジュ)の臨津閣(イムジンガク)  から平壌までは直線150キロ、往復300キロの距離だが、この距離を行き来できる商用  ドローンが珍しいため、軍が飛ばした可能性が提起された。しかし、韓国政府によると、韓国当局が飛ばした事実はなく、韓国上空から飛んだ無人機もなかった。政府消息筋は、「休戦協定違反などのリスクを冒して無人機で北朝鮮を刺激する理由はない」と話した。

韓国軍と政府当局は、今回の無人機事態が北朝鮮の自作自演である可能性が高いと見ている。最近改正した憲法に「大韓民国は敵対国」という表現まで使って対南敵意を高揚させてきた北朝鮮が、無人機の侵入まで演出して敵意をさらに高めようとしたということだ。韓国政府の内外では、北朝鮮がウクライナと戦争をするロシアのために大規模な派兵を決定したため、その大義名分づくりのために意図的に韓半島の緊張レベルを高めようとしたのではないかという観測も流れている。ただし、政府は、中朝国境地域などから北朝鮮に反感を持つ勢力が平壌上空に無人機を飛ばした可能性も排除していない。

このような中、北朝鮮国防省の報道官は19日、官営メディアである朝鮮中央通信を通じて「韓国軍部の輩の重大な主権侵害挑発事件が決定的な物証の確保とそれに対する客観的かつ科学的な捜査を通じて確認された」と主張した。同通信は、「墜落した無人機の写真」とし、韓国軍が運用するものと外観が類似した無人機の写真まで公開した。そして、昨年9月に創設された韓国軍の「ドローン作戦司令部」が保有する「遠距離偵察用小型ドローン」とし、「『国軍の日』記念式典の際に車両に搭載されて公開された無人機と同じ機種」と主張した。しかし、韓国軍消息筋は、「いくらでも韓国軍の無人機の外形だけを複製することができる」と北朝鮮の主張を一蹴した。


申晋宇 niceshin@donga.com