中国の習近平国家主席が、中国の75周年「国慶節」(建国記念日)に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が送った祝電に対し、15日ぶりに答電を寄せ、「地域と世界の平和と安定、発展と繁栄を守るためにより大きな貢献をする用意がある」とした。「兄弟」などの表現は昨年の内容と全体的に似ているが、「親善的な隣国」などの表現はなかった。北朝鮮がロシアに派兵までするほど北朝鮮とロシアの関係が血盟関係のレベルに近づいている中、このような朝ロの緊密な関係を不快に思う中国の本音が表れたとみられている。
習氏は先月16日、正恩氏に送った答電で、「総書記(金正恩)同志と共に伝統的な友好協力関係が安定的に発展するよう導く」と述べ、このように明らかにしたと、朝鮮中央通信が20日に報じた。習氏は、「中朝は山と川がつながっており、両国間の伝統的な友好は歳月が流れるにつれてより堅固になっている」とし、「兄弟の北朝鮮人民が総書記同志を首班とする朝鮮労働党の領導の下、社会主義建設の偉業を推し進め、新たな成果を収めることを心から願う」と述べた。
地域情勢の安定を優先する中国の立場では、朝ロの軍事協力が好ましくない可能性が高い。北朝鮮の最友好国だった中国の北朝鮮に対する影響力が弱まりかねないからだ。中国外務省は、韓国情報当局の北朝鮮派兵の発表に、「すべての当事者が緊張緩和のために努力しなければならない」とだけ述べた。韓国政府消息筋は、「西側が注目するウクライナ戦争に北朝鮮が派兵を決定した状況は、中国の立場から見れば非常に不快なこと」と指摘した。
今年は中朝国交樹立75周年だが、両国間の交流や親善は低調だ。中国に派遣された北朝鮮労働者の帰国問題をめぐっても、両国間で神経戦が続いている。
申圭鎭 newjin@donga.com