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イスラエル、ヒズボラの「資金源・兵器庫・情報局」を選んで攻撃

イスラエル、ヒズボラの「資金源・兵器庫・情報局」を選んで攻撃

Posted October. 22, 2024 08:39,   

Updated October. 22, 2024 08:39

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1日からレバノン国境を越えて地上戦を開始したイスラエルが、親イラン武装組織ヒズボラの「資金源」として知られる金融機関を空爆するなど、攻勢を強めている。16日、パレスチナ武装組織ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏の殺害を前後して武力衝突が激化しており、米国などの仲裁にもかかわらず、当分の間、停戦は容易ではないとみられている。

ロイター通信などによると、イスラエル軍は20日夜、ベイルート郊外のダーヒエにある金融機関「アル・カルド・アル・ハサン」の支店3ヵ所を空爆した。イスラエル軍は、「当該金融機関はヒズボラの資金調達に関与している」と明らかにした。1983年に設立されたアル・カルド・アル・ハサンは「ヒズボラの資金源」とされ、2007年から米財務省の制裁リストに含まれている。イスラエル軍は同日、ベイルート郊外にあるヒズボラの情報局と地下兵器庫も空爆した。この過程でヒズボラの幹部3人が死亡したという。

来月5日に大統領選挙を控えた米国は、イスラエル側に空爆規模の縮小を要請するなど、停戦の仲裁に乗り出したが、イスラエルは耳を貸さない様子だ。オースティン米国防長官は19日、「(イスラエルの攻撃で)民間人の被害が多すぎる」とし、「ベイルート付近の空爆を縮小するよう要請する」と異例にも強く批判した。しかし、翌日、レバノンとの国境地であるイスラエル北部軍部隊を視察したイスラエルのガラント国防相は、「私たちの目標は、イスラエル北部住民の帰還のために(ヒズボラの拠点である)レバノン南部を完全に制圧することだ」とし、「単純に敵を倒すことを超え、南部の村を完全に破壊する段階に進んでいる」と述べた。

イスラエルはレバノン南部に駐留している国連平和維持軍(UNIFIL)も攻撃した。UNIFILは20日に発表した声明で、「イスラエル軍がフェンスをブルドーザーで故意に壊した」とし、「これは明らかな国際法及び安保理決議違反」と非難した。UNIFILは、06年のイスラエルとヒズボラの「34日戦争」後、国連安保理で採択された決議1701号に基づいてレバノン国境地帯に駐留している。

バイデン米大統領の中東特使であるアモス・ホッホシュタイン氏は、停戦交渉のために21日にレバノンを訪問する予定だが、イスラエルが攻勢を強めていることで、停戦交渉は事実上不可能という見方もある。ホッホシュタイン氏は、レバノンの首相(イスラム教スンニ派)や国会議長(イスラム教シーア派)らと会い、停戦案を議論する予定だ。

しかし、米政治メディア「アクシオス」によると、イスラエルは17日、ホッホシュタイン氏のレバノン訪問の前に、米国に停戦交渉の条件として「イスラエル軍のレバノン駐留」を要求した。米政府関係者は、「イスラエルの停戦条件はレバノンにとっては主権侵害とみなされ、受け入れがたい内容だ」と伝えた。


イ・ジユン記者 asap@donga.com