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「韓江の垂れ幕」の前で写真、ドイツ国際図書展の主人公になった「K文学」

「韓江の垂れ幕」の前で写真、ドイツ国際図書展の主人公になった「K文学」

Posted October. 22, 2024 08:41,   

Updated October. 22, 2024 08:41

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作家・韓江(ハン・ガン)氏の顔写真が入った大型の垂れ幕の前で読者が写真を撮る。『少年が来る』など、韓氏の主な作品をめぐって熱い議論が繰り広げられる。「韓江のような韓国作家がいれば推薦してほしい」という要望が相次いで寄せられる。

10日のノーベル文学賞発表直後、韓国国内の書店で繰り広げられた風景のように見える。しかし、このような「韓江ブーム」の現場はドイツのフランクフルトだ。131ヵ国から来た出版社がブースを開き、20万人以上が訪れた「2024フランクフルト国際図書展」の主人公は、「韓江ブーム」を前面に押し出した韓国文学だという評価も出ている。

16~20日(現地時間)に開かれたフランクフルト国際図書展に参加した出版関係者によると、韓氏に対する人気が最も高かったのは、ドイツの出版社アウフバウのブースだった。ここには韓氏がどこかを見つめる姿が写った大型の垂れ幕がかけられていた。垂れ幕には、今年12月に出版される長編小説『別れは告げない』のドイツ語版の写真も掲載されていた。『菜食主義者』をはじめ、韓氏の本5冊がブースの壁面を埋めた。特に週末の19、20日には、世界中の読者が訪れ、韓氏の本を見たという。

大韓出版文化協会が開いたソウル国際図書展のブースにも、韓氏の受賞を祝う垂れ幕が掲げられた。読者は、垂れ幕の前で写真を撮った。また、出版社の版権担当者も訪れ、祝福の挨拶をした。自国の文学に誇りを持っている日本の出版関係者も、「韓氏はノーベル文学賞を受賞するに値する作家」と称賛したという。ソウル国際図書展マネージャーのソク・ヒョンへさんは、「30分ごとにミーティングをこなさなければならないため、休む時間がないほど忙しかった」とし、「特にアジアの出版関係者が夕食会のたびに『アジア女性初のノーベル文学賞受賞を誇りに思う』と祝福の言葉をかけてくれた」と話した。

出版社「文学トンネ」のブースには、韓国文学の版権に関する問い合わせが例年に比べて3、4倍多かったという。特に、以前はアジアの出版社からの問い合わせが多かったが、今年は英米圏と欧州の出版社からの問い合わせが大幅に増えた。2021年に韓国で出版されたイ・ヒジュの長編小説『聖少年』(文学トンネ)の版権が、米国の大手出版社ハーパーコリンズと英国の大手出版社パンマクミランにそれぞれ1億ウォン台の先印税条件で契約された。パンマクミランは、イ・ヒジュの次回作の海外版権を自分たちが優先的に検討できるようにしてほしいと要請した。文学トンネのキム・ソヨン代表は、「60回以上のミーティングで、海外出版関係者たちは韓氏のノーベル文学賞受賞を祝福する挨拶でミーティングを始めた」とし、「これまで海外ではいわゆる『ヒーリング小説』が人気だったが、今年は純文学に対する関心が高かった」と伝えた。

韓氏の受賞を機に、様々な韓国文学が海外で注目されると展望されている。ソウル国際図書展のチュ・イルウ代表は、「海外の1級エージェントが単に祝福を伝えるだけでなく、真剣に輸入する韓国文学を検討している」とし、「韓氏が歴代ノーベル文学賞受賞作家の中で年齢が若い世代に属するため、韓国の若い作家の作品に対する関心が高まるだろう」と話した。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com