北朝鮮がロシアを支援するために派兵したことと関連し、大統領室が22日、ウクライナに「攻撃用兵器」まで支援する可能性があることを明らかにした。精鋭特殊部隊1500人をすでにロシアに派遣した北朝鮮が、大規模な追加派兵を進めたり、この対価としてロシアが北朝鮮に先端兵器の技術を支援して「レッドライン」を越えたりする場合、戦場で朝ロに致命的となる兵器の支援まで排除していないということだ。
大統領室関係者は同日午後、記者団に対し、「段階的に今後のシナリオを見ながら防衛用兵器の支援を検討することができ、度を越えていると思えば、最後に攻撃用(兵器)まで検討することができる」と明らかにした。同関係者は、北朝鮮がロシア派兵を通じて期待する利益として、核ミサイルの高度化、高度な軍事技術の移転、通常兵器の性能改良、北朝鮮軍の実戦能力の育成などを挙げ、「これは大韓民国の安全保障に致命的な脅威だ」と強調した。そして、「何度も失敗してきた北朝鮮の偵察衛星を成功させるためにロシアが協力すれば、韓国に対する北朝鮮の監視能力が拡大することになる」とも述べた。偵察衛星技術は、ロシアが移転可能な核心的な先端兵器技術の一つであり、現在、北朝鮮は西海(ソへ・黄海)の東倉里(トンチャンリ)発射場で軍事偵察衛星打ち上げのためのロケットエンジン燃焼試験を行っているという。
韓国政府は同日、龍山(ヨンサン)大統領室で緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、対応を議論した。会議後、金泰孝(キム・テヒョク)国家安保室第1次長は記者会見で、「朝ロの軍事協力が韓国の安全保障に重大な脅威を与える状況に発展する可能性に備えて、発生可能なシナリオを総合的に検討し、対応策を準備していく」と述べた。大統領室関係者は、「近く米国も(北朝鮮派兵に関する)立場表明があるだろう」と話した。
韓国政府は、北朝鮮兵の派遣状況を正確に把握し、戦場に派遣された北朝鮮軍の戦力を探る目的で、ウクライナ現地への監視団の派遣も検討している。
申晋宇 niceshin@donga.com