与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表と最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が会談を行うことになった。韓氏は22日午前、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との午後の面談を控えた状況で、与野党代表会談を突然提案し、李氏は3時間後にこれを受け入れた。韓氏が与野党代表会談で尹大統領を圧迫したともみられる。
「尹・韓面談」では、尹大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏の問題が集中的に取り上げられた。韓氏は、「『金建希特検法』の再採決の時、30人の議員を説得したが、今後の状況悪化が心配だ」とし、「共に民主党」など野党が推進する「金建希特別法」を阻止するための先制的措置を尹大統領に要請した。これに対し、尹大統領は「与党議員が野党と同じ立場に立つなら、私もどうしようもないのではないか」と答えたという。また、金氏の対外活動中止の要求に対しては、「すでに対外活動を自粛しており、必要な活動でなければしない」と曖昧な回答をし、大統領室秘書室に勤務する「金建希ライン」の人事措置については、「誰がどのような問題を起こすのか具体的に伝えてくれれば措置する」と拒否に近い回答をした。
「尹・韓面談」の結果について、与党内では、「金建希特別法」に賛成する離脱票をこれ以上取り締まるのは難しいという反応が出ている。4日の国会本会議の再採決で否決されたものの、与党の離脱票が4票に増えた。「共に民主党」は翌日、再び特別法を発議した。3度目の発議だ。大統領の拒否権行使で再び再採決に入る場合、どのような結果が出るか予断を許さない。
検察が、金氏が関与した事件を相次いで不起訴にしたため、世論は悪化している。検察を信頼できず、特検を通じてきちんと捜査し、必要なら起訴して裁判所の判断を受けなければならないという世論が少なくない。このような状況で、与党が「金建希特別法」を阻止する政治的大義名分を大統領が与党に与えなければ、与党は民心に応える方向に動くしかない。与党として、野党の一方的な法通過と大統領の拒否権行使で果てしなく繰り返される「堂々巡り」の膠着状態を解消する政治的責任もある。
ただ、「共に民主党」の特検法は特検の選定から中立的でなく、捜査範囲も広すぎるというのが「国民の力」側の見解だ。尹大統領が韓氏との面談に続き、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表と夕食会を行ったのは、この点を突き詰めて、できる限り票の取り締まりをするという考えを示したのだ。李氏も特検を政略的に利用するのでなければ、特検の中立性と最小性を尊重する特検法を出さなければならない。やるならやれという大統領の意思は確認された。今こそ、与野党代表が民意に沿った合意点がどこにあるのか模索しなければならない。