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告訴できない与党と捜査を渋る検察

Posted October. 28, 2024 10:10,   

Updated October. 28, 2024 10:10

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金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人の公認介入疑惑の核心関係者であるミョン・テギュン氏の暴露騒ぎで与党内部で超緊張状態が続いている。ミョン氏は自分ことを「ミョン博士」と称したという尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に崔在亨(チェ・ジェヒョン)前監査院長を首相に推薦したと主張する一方で、金建希氏には「仕事をさせる時は3人にしろ」というアドバイスをしたと主張するなど、無差別に暴露を続けている。

与党を緊張させる暴露はこれだけではない。金映宣(キム・ヨンソン)前国会議員(「国民の力」)の国会議員候補公認取引疑惑を暴露したカン・ヘギョン氏は、ミョン氏が尹大統領に有利な世論調査を提供する見返りに、金映宣氏が公認を受けたと国政監査で明らかにした。人事推薦や政治的アドバイスが本当に行われたなら、国民を大きく失望させることになるだろうが、違法行為ではない。しかし、公認介入疑惑や世論調査操作疑惑が事実ならば刑事処罰を受ける選挙犯罪だ。その波紋は予想することすらできない事案である。

ミョン氏と接触したと特定された人物20人余りが含まれた「ミョンテギュン・リスト」まで登場し、与党は毎日ミョン氏の口だけを見ている立場になった。ミョン氏が暴露を後押しする「決定的証拠」を隠しているという噂も幽霊のように汝矣島をさまよって久しい。

ミョン氏と接触した与党関係者たちは、ミョン氏のことを「政治ブローカー」だと一蹴し、暴露が事実ではないと口をそろえる。数回会ったことはあるが、でたらめな話をたくさん並べたので関係を絶ったと釈明も続く。尹大統領も21日、与党「国民の力」の韓東勳(ハン・ドンフン)代表との面談で、ミョン氏と接触したことを認めながらも「問題があると判断して、断固として切った」と話したという。

それなら、与党はミョン氏を虚偽事実流布による名誉毀損の疑いで告訴して事実関係を明らかにし、ミョン氏が処罰されるようにすればいい。しかし、ミョン氏が告訴されたという話は聞こえない。呉世勲(オ・セフン)ソウル市長が告訴状まで書いておいたと明らかにしたが、実際には提出しなかった。ソウル市のキム・ビョンミン政務副市長によると、本人などが積極的に止めたという。法的措置を取れたば「ミョン氏問題」に覆われてしまい、引き続きニュースが続く可能性があるので止めたという。

しかし、野党の見方は違う。実体的真実が究明されること自体を与党が恐れていると思っている。捜査が進み、ミョン氏の暴露が一部でも事実であることが明らかになれば、今後の地方選挙や総選挙で致命的なダメージを受ける恐れがあるため、与党がミョン氏を告訴できずにいるという解釈だ。

ミョン氏と金映宣氏を調べている検察も、あいにくにも遅々として進まない様子だ。慶尚南道(キョンサンナムド)選挙管理委員会が捜査を依頼したのは昨年12月のことだが、カン氏が通話録音ファイル4000個余りを検察に提出したのは今年初めだ。しかし、検察は最近になって強制捜査に着手し、検事2人も遅れて派遣した。検察は、世論調査資料があると疑われる慶尚南道昌原(チャンウォン)にある公認仲介事務所を今月初めに家宅捜索したが、これといった資料は出なかったという。

ミョン氏を告訴できない与党と捜査を渋る検察を見守りながら、国民はこの事態の実体的真実が何なのかもっと知りたがっている。「ミョンテギュン騒ぎ」を終息させることは、国民が望む通りに実体的真実の早期究明であることを、与党と検察は今からでも留意しなければならないだろう。