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ウクライナへの殺傷兵器支援は極めて慎重に検討するべきだ

ウクライナへの殺傷兵器支援は極めて慎重に検討するべきだ

Posted October. 30, 2024 08:38,   

Updated October. 30, 2024 08:38

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北朝鮮兵士のロシア・ウクライナ戦争への参戦が差し迫るなか、韓国政府はウクライナに155ミリ砲弾を支援することを対応策とし、迂回支援または直接支援の方式を検討しているという。ウクライナ政府がこれまで韓国の支援を最も望んでいる兵器が155ミリ砲弾であり、政府はすでに昨年、米軍の兵器庫を補充する形で155ミリ砲弾数十万発をウクライナに迂回的に支援している。

韓国政府は18日、国家情報院の「北朝鮮特殊部隊の派遣確認」発表後、連日「決して座視しない」と強硬なメッセージを出している。大統領室は必要に応じてウクライナに攻撃用兵器の支援も検討するとし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も「北朝鮮兵の活動状況に応じて殺傷兵器の支援も検討する」と明言した。このような流れから、155ミリ砲弾の支援は、その方式が問題であるだけで、事実上決定されたようなムードだ。さらに、韓国軍の参観団や国情院の対北朝鮮専門家の派遣まで検討されている。

このような政府の強硬なメッセージや対応の動きは、不必要な議論と逆効果を生む可能性がある。むろん、厳重な対応メッセージは、北朝鮮とロシアの協力の加速を防ぐための先制的な警告として必要だ。しかし、状況はむしろ北朝鮮兵士の戦線投入が早まる方向に展開している。政府がどのような方法であれ、公開的に殺傷兵器をウクライナに支援すれば、これまで最も懸念してきたロシアの先端兵器技術の北朝鮮への移転を早める結果を生む可能性がある。

国際社会の動向を見ても、ウクライナへの兵器支援や戦争への関与は非常に慎重でなければならない。大統領選挙を1週間後に控えた米国では、トランプ前大統領が当選すれば、ウクライナへの軍事支援は中止される可能性が高い。ハリス副大統領が当選しても、議会の壁は依然として高いだろう。最近、ドイツ政府も来年度のウクライナ軍事支援予算を大幅に削減するなど、欧州諸国もウクライナ戦争から距離を置くムードだ。

さらに、韓国国民の大多数もウクライナへの兵器支援に否定的だ。韓国ギャラップの先週の世論調査の結果、「非軍事的支援に限るべきだ」という回答が66%、「いかなる支援もするべきでない」という回答も16%だった。兵器などの軍事的支援に賛成する回答は13%にとどまった。混乱した情勢の中で、厳しい安保課題を抱えることになる。政府の立場も行動も慎重でなければならない。メッセージから慎重に管理し、綿密な戦略を講じる時だ。