Go to contents

「ウクライナは155ミリ砲弾を望む」 韓国、兵器支援でジレンマ

「ウクライナは155ミリ砲弾を望む」 韓国、兵器支援でジレンマ

Posted October. 30, 2024 08:40,   

Updated October. 30, 2024 08:40

한국어

韓国政府が、北朝鮮兵士のロシアへの派遣に対する対抗措置として155ミリ砲弾の支援を検討していることが29日、分かった。ウクライナに殺傷兵器を支援する場合、最優先となるのは155ミリ砲弾ということだ。現在は米国を通じた迂回支援を検討しているが、北朝鮮兵士の派遣規模が急速に増加したり、ロシアが北朝鮮に先端軍事技術を移転したりする状況が具体的に確認された場合、直接支援する可能性も排除していない。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同日、閣議で「ロシアと北朝鮮の違法な軍事結託は、国際社会に対する重大な安全保障の脅威」とし、「韓国の安全保障に危害を加えかねない重大な問題」と強調した。

政府筋は同日、「北朝鮮が大規模に兵士を派遣したが、韓国も国際社会に責任ある役割を果たさなければならないという共通認識がある」とし、「ウクライナも最近まで155ミリ砲弾の支援を要請してきた」と話した。別の消息筋も、「最終判断は国家安全保障会議(NSC)で決定しなければならない」としながらも、「軍を中心に155ミリ砲弾を従来のように米国を通じて迂回支援するか、ウクライナに直接支援するか、規模はどの程度にするかなどを具体的に議論している」と伝えた。

韓国政府は、国際社会の度重なる警告にもかかわらず、北朝鮮が予想以上に派兵にスピードを上げ、北朝鮮軍のウクライナ戦場投入が差し迫り、ロシアの対北朝鮮軍事技術の移転などレッドラインを越えていることを、155ミリ砲弾支援検討の理由として明らかにしている。韓国国家情報院は、ロシアが敏感な軍事技術の一つである軍事偵察衛星技術をすでに一部移転したと見ている。国情院は同日、国会情報委員会に、「北朝鮮は先端部品の購入およびロシアとの技術協力で、5月に失敗した偵察衛星の打ち上げを再び行う準備ができているようだ」と報告した。

別の政府高官筋は、「韓国がウクライナに殺傷兵器を支援する場合、ロシアがこれを大義名分に北朝鮮に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の再突入技術まで提供する可能性が最も懸念される」としながらも、「韓半島の安保に直結する北朝鮮派兵を傍観することもできない状況だ」と話した。155ミリ砲弾は、昨年50万発を米国を通じて迂回支援した前例があり、ウクライナが現在最も優先的に要請している兵器でもあるため、象徴性があり、負担も小さいカードだと考えている。

しかし、155ミリ砲弾の支援が実際に決定されれば、野党が激しく反発することが予想される。最大野党「共に民主党」は前日にも、「ウクライナへの殺傷兵器支援問題は慎重に対応しなければならない」とし、「安易に扱えば、韓半島の安保を危うくし、緊張を高める結果を招く可能性がある」と反対の立場を明らかにした。


申晋宇 niceshin@donga.com