北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が28日に、ロシア公式訪問のため平壌(ピョンヤン)を出発したと、北朝鮮の官営メディアである労働新聞が29日付けで報じた。韓国国家情報院も29日、崔氏が前日にロシアを訪問したと明らかにした。
国家情報院が18日に北朝鮮のロシアへの大規模派兵を初めて公式に確認してから、北朝鮮メディアが高官の訪ロの事実を伝えたのは初めて。崔氏のロシア公開訪問は、9月16日にサンクトペテルブルクで開かれた「BRICS女性フォーラム」に出席して以来だ。
ロ朝協力の中心で活動してきた崔氏は、最近、北朝鮮内での存在感が増したという。そのため、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の側近であり、「実勢長官」として位置づけられた崔氏が、派兵の対価を議論するためにロシアを訪れたのではないかという観測が流れている。国情院も同日、国会情報委員会が行った国政監査で、崔氏の訪ロについて、「高位級チャンネルを通じた追加派兵、対価などの協議を行ったと見る」と明らかにした。
正恩氏とロシアのプーチン大統領との首脳会談も行われると伝えられており、崔氏が今回、首脳会談の日程などを調整する可能性もある。これに先立ち、ロシアのペスコフ大統領報道官は25日、正恩氏の訪ロの可能性について「DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)は隣国で全ての可能性がある分野で活発に関係を発展させている」と述べ、首脳会談の可能性を示唆した。
このような中、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ氏は、寄稿文で、正恩氏が米国の防空システムを無力化できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)と原子力潜水艦の開発を公言してきたとし、「北朝鮮兵士の派遣は、ロシアが『核不拡散体制』を崩壊させる起点になる可能性がある」と主張した。
コ・ドイェ記者 キム・ユンジン記者 yea@donga.com