大統領室関係者は30日、「(現地に派遣された)北朝鮮兵士の活動と戦況を分析するチームを構成して派遣する準備をする必要性を感じている」と明らかにした。ロシアに派遣された北朝鮮兵士の前線投入の可能性まで伝えられるなか、北朝鮮兵士に関する情報確保などのためにウクライナに「モニタリング団」を送る案と関連し、このように述べた。趙太庸(チョ・テヨン)国家情報院長も前日、国政監査でモニタリング団について、「北朝鮮兵士の能力を把握する絶好の機会」と述べた。
ひとまず政府は、モニタリング団の派遣はまだ決定されていないとし、その構成や役割などについては明らかにしなかった。ただ、モニタリング団が派遣されたとしても、戦場で捕らえられた北朝鮮兵士を直接尋問できるのかなどは敏感な問題であるため、その可能性について関心が集まっている。
東亜(トンア)日報が同日、国際人道法と戦争法に詳しい専門家らの意見を総合した結果、現地に派遣されたモニタリング団が捕虜となった北朝鮮兵士を直接尋問することは難しいとみられる。参戦当事国ではない韓国の情報機関が捕虜を尋問する場合、「権限のない行為」という国際法違反の論議が起こる可能性があるためだ。外交消息筋は、「捕虜の尋問は交戦当事国の権利であるため、参戦国でない韓国は原則的に尋問や参観をする権限はない」と強調した。大韓国際法学会会長を務めた李龍浩(イ・ヨンホ)嶺南(ヨンナム)大学教授も、「通訳を提供する次元の『助力者』の役割程度は可能だろう」と話した。
政府が、ウクライナ現地に軍関係者を含むモニタリング団を派遣しても、国会の同意を得る必要はないという意見が法曹界では優勢だ。憲法は、国軍を外国に派遣する場合、国会が同意権を持つと定めている。しかし、政府が軍隊を海外に派遣して戦闘、補給など軍の業務を遂行する場合のみ、国会の同意を得る必要があるという解釈だ。高麗(コリョ)大学校法学専門大学院の張永洙(チャン・ヨンス)教授は、「情報収集のためのモニタリング団を派遣するために国会の同意を得る必要はないと思われる」と話した。
戦場で捕らえられた北朝鮮兵士を「戦争捕虜」と見れば、戦争が終わった後、本国である北朝鮮に送還するのが国際法の原則だ。しかし、韓国行きを希望する北朝鮮兵士に対しては例外的に韓国に連れてくる可能性もある。独裁体制である北朝鮮の現実を考慮すると、亡命を希望する北朝鮮兵士が単なる「戦争捕虜」ではなく「難民」の性格があると認められる可能性があるからだ。
1950年の朝鮮戦争の時も、国際社会が北朝鮮への帰還を拒否する人民軍捕虜に対して北朝鮮に送還しないことにした前例もある。ただ、当時、捕虜交換を仲介した国際赤十字委員会が「例外的な事例」と注釈書で明らかにしたため、北朝鮮兵士を韓国国内に連れてくる場合、北朝鮮やロシアが「国際法の大原則を破った」と問題を提起するなど論議が起こるものと思われる。
コ・ドイェ記者 yea@donga.com