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「3超」危機を前に、韓国の誰も無駄になってはならない

「3超」危機を前に、韓国の誰も無駄になってはならない

Posted November. 01, 2024 08:39,   

Updated November. 01, 2024 08:39

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「1歳の祝いで子どもが歩けるかどうかから始まり、学校や職場まで比較される。その無限競争に親として参加する自信がありません」

「私の子どもが私より豊かな人生を送ることができるのか希望が持てないので、子どもは産まないことにしました」

保健福祉部と低出産高齢社会委員会が開いた懇談会で、結婚はしたが子どもを産まないことを決めた若い夫婦の言葉だ。彼らの話を聞けば、100兆ウォン以上を注ぎ込んだにもかかわらず、出生率が上がらない理由を推測することができる。無限競争社会の疲弊感、今より良い世界に対する悲観的な見通しは、単に大金を投じることで解決できる問題ではない。より根本的な社会構造改革を必要とする難しい課題だ。韓国保健社会研究院のイ・サンリム研究委員は、「若者が非婚主義者及びディンク族になるのは、通貨危機後、韓国に蔓延している『競争』と『家族の効用喪失』などの社会的ムードの影響が大きい」とし、「政策的支援とともに、家族の必要性を感じられるように市民社会の人口言説の形成を支援しなければならない」と助言した。

先日、韓国経済人協会が主催したセミナー「国内外の学者が見た少子高齢化の影響と解決策」に参加した専門家たちも、人口減少問題を解決するには全く新しい政策的想像力と認識の転換が必要だと指摘した。香港科学技術大学のスチュアート・ギーテルバステン教授は、「韓国の少子化を単に解決すべき『問題』ではなく、社会システム全般の失敗を知らせる『兆候』として認識しなければならない」とし、「私たちが将来どのような社会を望むのかという深い悩みや反省が必要だ」と強調した。

子どもを産まないことにした人たちの中には、「この世で大変なのは私一人だけで十分だ。私の子どもまで不幸にするわけにはいかないので、産まないことにした」と話す人もいる。魂まで擦り減るという入試競争、世界で最も高い自殺率などが少子化にも多くの影響を及ぼしている。

韓国は昨年、合計出生率0.72の超低出生国であるとともに、来年からは65歳以上の高齢者が全人口の20%を超える超高齢社会に突入する。低出産高齢社会委員会の周亨煥(チュ・ヒョンファン)副委員長は、「韓国は超低出生、超高齢社会、超人口絶壁の3超の危機の前に立っている」と強調した。

目の前に迫った3超の危機をどう乗り越えるべきか。セミナーに参加した国内外の学者は、人口減少と縮小、高齢化が恒常化した社会に備えるには、社会全般のパラダイムを根本的に変えて「誰も無駄にならない」(NOW=No One is Wasted)社会を作らなければならないと口をそろえた。個人が社会の付属品ではなく、尊重され、包容的な雰囲気でより良い明日を夢見ることができなければならないということだ。

政府が推進している労働、教育、年金といった構造改革と地方均衡発展が人口危機に対応する解決策になる可能性がある。これらの改革がよりスピード感を持って推進され、子どもの将来を心配して出産を躊躇する人がいなくなることを願う。