米大統領選挙を5日後に控え、北朝鮮が過去最大高度と最長飛翔時間の大陸間弾道ミサイル(ICBM)挑発を強行した。世界最大規模の「怪物ICBM」である火星(ファソン)17よりも大きくて強力な新型固体推進ICBMや火星18の改良型で、米本土に対する核攻撃力の高度化を誇示したのだ。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は発射5時間後に「核武力強化路線を絶対に変えない」と強調したと、朝鮮中央通信が伝えた。
韓国軍によると、31日午前7時10分頃、平壌(ピョンヤン)付近でICBM1発が発射された。高度7千キロ以上上昇した後、約86分間1千キロ飛翔して東海(トンへ・日本海)上に落下した。北朝鮮のICBM挑発史上最大の高度と最長飛翔時間だ。通常角度で発射した場合、1万6千キロほど飛翔して米本土全域が射程圏内に入ると分析された。韓国軍当局者は、「新型ICBMや火星18の改良型で、破壊力を高めた高重量核弾頭や多弾頭のテストを行ったとみられる」と話した。
北朝鮮は6月に3つの個別目標に対する初の多弾頭実験に成功したと主張した。ワシントンとニューヨークに加え、ボストンやシカゴなど米本土の主要都市に対する同時核攻撃能力を備えた多弾頭ICBMが最終目標であることを示唆したのだ。
このような中、北朝鮮のICBM挑発の5時間前の30日(現地時間)、ワシントンでの韓米国防長官によるSCMの共同声明で、「非核化」という言葉が抜け落ちたことが物議を醸した。SCM共同声明で「非核化」が除外されたのは9年ぶりだ。これをめぐり、米国内で広がる北朝鮮核の現実論が反映されたと分析されている。これに対し、韓国軍は、「北朝鮮の非核化は韓米同盟にとってあまりにも当然のことであり、細部の文言を調整する過程で抜け落ちた」と説明した。
ユン・サンホ軍事専門記者 ソン・ヒョジュ記者 ysh1005@donga.com·