第6回「韓米外務・防衛閣僚協議(2プラス2)」直後に開かれた共同記者会見の冒頭発言で、「北朝鮮の非核化」の表現をめぐって韓米の外務・防衛トップ間の温度差が明らかになった。
趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官と金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官は先月31日(現地時間)、米ワシントンで開かれた記者会見の冒頭発言で、それぞれ「北朝鮮の完全な非核化」に触れた。一方、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は関連の発言をしなかった。その代わり、ブリンケン氏は前日の韓米安全保障協議会(SCM)共同声明で、「非核化」の表現が抜けているという取材陣の質問に、「私たちの政策は今のまま維持される。それは韓半島の完全な非核化だ」とだけ述べた。通常、「韓半島の非核化」は、「北朝鮮の非核化」よりも北朝鮮に対する完全な核放棄の義務や負担を軽減する表現と認識されている。2021年に開かれた第5回2プラス2会議では、ブリンケン氏は記者会見で、「北朝鮮の非核化」と言及した。韓米は今回の2プラス2会議後に採択された共同声明に、「韓半島の完全な非核化」という文言を盛り込んだ。
前日開かれた韓米国防相をトップとする年次協議であるSCMの共同声明では、昨年とは異なり、「北朝鮮の非核化」という表現が欠落し、物議を醸した。韓国国防部は、「韓米は北朝鮮の完全な非核化という共同の目標を堅持している」と説明したが、米国防総省の立場が反映されてこの表現が消えたのではないかと指摘された。北朝鮮の核能力が高度化する中、米政府内外では最近、北朝鮮の核保有を事実上認め、核軍縮交渉に取り組むべきだという声が高まっている。
ただ、2プラス2共同記者会見後、外交部当局者は韓国の取材陣に対し、「韓半島の非核化は北朝鮮の非核化を表現したもの」とし、「北朝鮮か韓半島かは全く違いがない」と述べた。
孫孝珠 hjson@donga.com