米大統領選挙で、共和党のトランプ前大統領が第47代米大統領にえらばれた。「米国第一主義」を掲げたトランプ氏がホワイトハウスの新しい主となり、韓半島情勢と国際秩序が再び大きく揺らぐものとみられる。
6日(現地時間)午前2時現在、AP通信の集計によると、トランプ氏は選挙人538人のうち過半数の276人を確保し、民主党のハリス副大統領を退け、勝利を収めた。トランプ氏は、ジョージア州やノースカロライナ州など南部「サンベルト」の激戦州を獲得したのに続き、2020年にバイデン大統領が勝ったペンシルベニア州とウィスコンシン州でも勝利し、勝負を決めた。トランプ氏は、まだ開票が行われているミシガン州とアリゾナ州、ネバダ州でもハリス氏を上回るものと予想される。当初、激しい接戦が予想されていた7つの激戦州をすべて制する圧勝を収める可能性が高まった。
20年の大統領選の結果を受け入れず、支持者の「議事堂乱入事件」で米大統領経験者として初めて刑事起訴されたトランプ氏が再選に成功したのは、バイデン政権時代の高物価に絶望した白人労働者はもとより、民主党を支持してきた若者や黒人、ラテン系有権者までハリス氏に背を向けたからだ。また、ウクライナ戦争やガザ戦争などグローバルな紛争拡大で孤立主義と保護主義に共感する米国人が増えたことも、勝利の背景に挙げられる。
大統領選とあわせて行われた連邦議会選挙でも、共和党が4年ぶりに上院で多数派を奪還し、トランプ氏は「普遍的基本関税」やウクライナへの支援中止など、在任時よりも強力な「米国第一主義」政策を強行することが確実視される。トランプ氏が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳外交の再開、在韓米軍駐留経費負担の再交渉を要求すれば、韓半島情勢にも激変が避けられない見通しだ。
トランプ氏は同日の勝利演説で、「今は米国が分裂の傷を癒さなければならない時であり、団結した国民とともに進んでいく」と述べた。そして、「米国を再び偉大な国にする」と訴えた。
トランプ氏の当選が有力視されると、6日、ソウル外国為替市場で午後3時30分現在、ウォン・ドル相場は前取引日比17.6ウォン上昇した1396.2ウォンで取引を終えた。為替レートの上昇は、トランプ氏の大規模減税や関税引き上げなどの経済政策が最終的に「キングドル」の復活につながるという見通しが反映されたものとみられる。
ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 イ・ドンフン記者 weappon@donga.com