「日本の一般家庭が広範囲な投資家になり、実際に投資の成果を得られるように支援することが日本政府の最優先の政策課題です」
慢性的な「コリア・ディスカウント」(韓国株式市場の低評価現象)問題を解消するため、韓国政府が「バリューアップ・プログラム」を推進しているが、まだ韓国株式市場は大きな効果を出せていない。東亜(トンア)日報とチャンネルAの主催で6日、ソウル市中区のロッテホテルで開かれた「2024東亜ニューセンテニアルフォーラム」に発表者として参加した日本金融庁 総合政策局政策立案総括審議官の堀本善雄氏は、先にバリューアップ政策を推進した日本の事例と、韓国が注目すべき成功要因を詳しく紹介した。
堀本氏は、10年余りのバリューアップ政策を「総合パッケージ」だったと強調し、「この計画には日本企業のガバナンス改革が含まれているだけでなく、日本国内の金融機関、家計など投資チェーンに接続されたすべての当事者の行動を変えようとする構造的改革も含まれていた」と述べた。また、「日本政府はグローバル投資家とのコミュニケーションを図り、日本企業がグローバル投資家の目に留まるように努力した」と付け加えた。
堀本氏は、「企業は資産運用会社と資産所有者から受け取った資金を適切に使用し、投資の果実を株主である家計に還元しなければならない。これが企業のガバナンス改革だ」とし、「日本企業は少なくとも10年以上、ガバナンス改革に取り組んできた。企業ガバナンスの模範基準の条項はますます詳細になっている」と強調した。
日本政府は、何十年も眠っていた「タンス預金」を市場に引き出し、投資を誘導する政策も実施してきた。堀本氏は、「できるだけ多くの人が投資家になり、少額でも継続的に投資利益を体感できるようにしなければならない」とし、「そのためにまず一般大衆のための投資制度を設けた」と説明した。例えば、NISAは、若い頃から長期的に少額投資ができるように、生涯を通じて最大1800万円(約1億6302万ウォン)までの投資利益に対して非課税を適用する。堀本氏は、「現在、NISA口座は2400万個以上開設され、日本の成人の4人に1人が保有している」と語った。
発表後に続いたフォーラムの討論で、韓国外国語大学法学専門大学院の安修賢(アン・スヒョン)院長は、「バリューアップは単純な投資ではなく、全国民の老後の資金を作るための重要な制度的手段であり、必ず良い成果を出さなければならない政策」とし、「韓国も多角的に政策を設計する必要がある」と述べた。
国民年金公団基金運用本部受託者責任室のイ・ドンソプ室長は、「法的な問題だが、企業が特定の株主ではなく全体の株主のために経営できるよう法改正が必要だ」と述べた。韓国取引所のユン・ジェスク部長は、「バリューアップが自律に基づくため、参加率が低調だ」とし、「税制に対する不確実性を明確に整理して企業のインセンティブを拡大できるようにすることが重要だ」と述べた。韓国経済人協会のイム・ドンウォン責任研究委員は、「新産業の進出に投資することが長期的に企業価値を高めるということを忘れてはならない」とし、「成長中心を考慮することも必要だ」との意見を示した。
フォーラムに参加した国会政務委員会所属の与党「国民の力」の金宰燮(キム・ジェソプ)議員は、「国会と政府も実効性のあるガイドラインを提示し、コリア・バリューアップを導いていかなければならない」と述べた。李卜鉉(イ・ボクヒョン)金融監督院長は、「韓国企業と資本市場のバリューアップは息長く進めなければならない作業」とし、「市場の根本的な体質を改善するとともに、投資家に変化に対する信頼を与えることができなければならない」と強調した。
全主榮 aimhigh@donga.com