トランプ次期米大統領が、次期政権の国務長官にマルコ・ルビオ上院議員(53・フロリダ)、大統領補佐官(国家安全保障担当)にはマイケル・ウォルツ下院議員(50・フロリダ)を起用する方針であることが分かった。外交・安全保障の「ツートップ」に共和党内でも代表的な強硬派が起用され、中国や北朝鮮などに対する制裁や軍事的抑止力の強化、そして韓国など同盟国の軍事的貢献に対する圧力が、第2次トランプ政権の外交・安全保障政策の核心基調になるものと予想される。
米紙ニューヨーク・タイムズやCNNなどは11日(現地時間)、「トランプ氏がルビオ氏を国務長官に起用するだろう」と報じた。米紙ウォールストリート・ジャーナルは同日、「トランプ氏がウォルツ氏に国家安全保障担当補佐官への起用を打診した」と伝えた。
ルビオ氏は、キューバの社会主義革命を逃れて米国に移住した移民家庭出身だ。ルビオ氏が国務長官に就任すれば、ラテン系では初となる。国務長官は、大統領継承順位4位だ。ルビオ氏は2016年の大統領選挙の共和党予備選でトランプ氏と競り合ったが、敗北した。その後、トランプ氏支持を宣言し、今年の大統領選では副大統領候補にも検討された代表的な側近だ。グリーンベレー(米陸軍特殊部隊)出身でアフガニスタンへの派遣経験があるウォルツ氏も、20年の大統領選でトランプ氏が敗北すると不正選挙を主張した「トランプ忠誠派」だ。
ルビオ氏とウォルツ氏は、中国、ロシア、北朝鮮、イランなどの米国の敵性国家に対する強硬な対応を主張してきた共和党のタカ派とされる。ルビオ氏は、中国への投資制限、技術規制強化、関税引き上げなどを主張し、中国政府の制裁を受けたこともある。19年の米朝首脳会談当時、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記を「暴君」と呼び、「北朝鮮の非核化が成功するとは信じていないし、今後も信じない」とも述べた。ウォルツ氏は、22年の北京冬季五輪のボイコットなどを主導し、米朝の緊張が高まった時、「(北朝鮮に対する)すべての軍事的オプションをテーブルの上に置かなければならない」と主張した。第2次トランプ政権の外交安全保障を担うトップに、北朝鮮の非核化に強い懐疑論を持つ人物が起用されたのだ。
2人は、ウクライナへの支援中止など、トランプ氏が掲げた「米国第一の外交政策」を支持してきたという共通点もある。これにより、在韓米軍駐留経費の負担増額はもとより、中国牽制における韓国の役割拡大を求める圧力も強まる見通しだ。ウォルツ氏は、22年の議会の公聴会で、「中国が台湾を侵略する場合、韓国や日本などの同盟国も兵力動員を承認する準備ができていなければならない」と発言した。
ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com