トランプ次期米大統領が12日(現地時間)、次期政権の国防長官にFOXニュース司会者のピート・ヘグセス氏(44)を内定した。また、中央情報局(CIA)長官には、前のトランプ政権で情報機関を統括する国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏(59)を指名した。新設される「政府効率化省」のトップには、実業家のイーロン・マスク氏(53)とインド系の起業家ビベック・ラマスワミ氏(39)を起用した。
トランプ氏は同日、声明で「ピートはタフで賢明であり、米国第一主義の真の信奉者」と述べた。元陸軍州兵少佐のヘグセス氏は、バイデン政権の軍の性的少数者支援など進歩的な政策を強く批判してきた。また、米軍の海外駐留に反対するなど、孤立主義を標榜する人物として知られている。
第1次トランプ政権で国家情報長官を務めたラトクリフ氏は、2020年の大統領選挙を前に、ロシアがトランプ氏を支援したという民主党の主張に反論する機密文書を公開するなど、トランプ氏を支えてきた。トランプ氏は、大統領補佐官(国家安全保障担当)にマイケル・ウォルツ下院議員、国土安全保障省長官にサウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事を指名した。大統領選から1週間で外交・安全保障の主要役職の人選を事実上終え、「米国第一」政策の公約履行の意欲を示した。
第2次トランプ政権の人事や政策、外交などあらゆる面で大きな影響力を行使しているマスク氏は、政府効率化省のトップとして連邦政府の改革と規制緩和を強調し、「トランプ式小さな政府」を目指すとみられる。バイオテクノロジー起業家のラマスワミ氏は、今回の大統領選挙で共和党から立候補を表明したが、1月に辞退した後トランプ氏の支持を宣言し、側近となった。
トランプ氏は、「偉大なマスク氏と愛国者のラマスワミ氏が官僚主義を解体し、連邦機構を再構築するだろう」とし、「私たちの時代の『マンハッタンプロジェクト』になるだろう」と述べた。推進する政府改革を第2次世界大戦時の核爆弾開発のための極秘計画「マンハッタンプロジェクト」に例えたのだ。
ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com