バイデン米大統領が、北朝鮮のロシア派兵に対応するために、ウクライナが米国から支援された地対地ミサイルをロシア本土攻撃に使用することを許可したと、米紙ニューヨーク・タイムズが17日(現地時間)、報じた。任期を2ヵ月残したバイデン氏が、ウクライナへの支援を強化するために重大な転換を図ったと指摘されている。
同紙によると、バイデン氏はウクライナが射程約300キロの地対地ミサイル「ATACMS(アタクムス)」でロシア本土の標的を攻撃することを許可した。米当局者らは、このミサイルがロシア本土の南西部クルスクにあるウクライナ軍を防衛するために、ロシア軍と北朝鮮軍に対する攻撃に使用される可能性が高いと見ている。
バイデン氏はこれまでウクライナがATACMSでロシア本土を攻撃することを許可しなかったが、先月、北朝鮮軍のロシアへの派遣が確認され、戦略を変更したという。米当局者らは、今回の戦略変更が戦争の流れを根本的に変えるとは期待していないが、北朝鮮に「北朝鮮軍は脆弱であり、これ以上派兵してはならない」というメッセージを送るためだと、同紙に伝えた。
ロシアは直ちに反発した。ロイター通信によると、ロシア上院の国際問題委員会のウラジミール・ジャバロフ第1副委員長は、今回の措置に対して、「第3次世界大戦の開始に向けた非常に大きな一歩」とし、ロシアが直ちに対応すると明らかにした。
一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、10年ぶりに開催された大隊長・大隊政治指導員大会で、「核武力強化」の考えを明らかにした。5日に行われた米大統領選挙後、初めて事実上、第2次トランプ政権を念頭に対米メッセージを発したのだ。朝鮮中央通信など北朝鮮の官営メディアは18日、正恩氏が15日に「核武力強化路線はすでに私たちにとって不可逆的な政策になって久しい」とし、「今や残されたことは、すぐにでも核武力が戦争抑止の使命と第2の使命を遂行できるように、より完璧な稼働態勢を整えることだけだ」と述べたと報じた。
趙은아 achim@donga.com · 申圭鎭 newjin@donga.com