憲法裁、放送通信委、特別監察官…空席を埋めて働かなければ

禹元植（ウ・ウォンシク）国会議長と与党「国民の力」の秋慶鎬（チュ・ギョンホ）院内代表、最大野党「共に民主党」の朴賛大（パク・チャンデ）院内代表が１８日に会合を開き、憲法裁判所の空席の裁判官３人を２２日までに推薦することを決めた。与党は、特別監察官の推薦手続きの開始も提案したが、野党は「（金建希夫人の）特検と連動している。特検を拒否するための手続きを踏むのであれば、深い検討が必要だ」と主張した。民主党は、欠員がある放送通信委員会と放送通信審議委員会の委員も迅速に任命する必要があると主張した。

憲法裁判官は先月１７日、憲法裁判所の李悰錫（イ・ジョンソク）所長ら３人が退任した後、後任が任命されず、定員９人のうち６人しか残っていない。３人は、国会が選出すれば大統領が任命するが、与野党がそれぞれ何人推薦するかをめぐって神経戦を繰り広げ、推薦が延期された。同日の会合でも、この部分について合意には至らなかった。

定員が満たされていない状態で、憲法裁が法律の違憲決定、弾劾決定など裁判官６人以上の賛成が必要な決定をすれば、正当性論議が起こりかねない。これにより、先月に続き今月も主要な決定が行われず、憲法裁の核心業務は事実上麻痺した状態だ。ある裁判官が国会で「国会の意向は憲法裁が働くなということなのか」と問うほどだ。

委員長、副委員長を含む常任委員５人の合意で運営される放送通信委員会は、昨年８月から２人体制が続いている。任期満了などで国会に割り当てられた委員３人が空席となった後、政府・与党と野党間の意見の相違で後任者推薦と任命が延期されたためだ。２人体制で放送通信委員会が議決した事案の効力を認めない裁判所の判決が出ているうえに、国会の弾劾訴追で李真淑（イ・ジンスク）委員長の業務も停止となり、「植物放通委」となった。そのため、自社のアプリ内決済を強制したグーグルとアップルに対する課徴金賦課など、放送・通信分野の懸案に対する決定が相次いで延期されている。放送通信審議委員会も９人の委員のうち、国会が推薦する６人が空席となっている。

特別監察官は、２０１６年９月に李碩洙（イ・ソクス）特別監察官が辞任して以降８年以上空席が続いている。法律には、特別監察官の欠員が発生した場合、３０日以内に国会が推薦し、大統領が任命するよう定められているが、与野党の利害が対立し、空席状態が続いているのだ。理由が何であれ、国会が本来の役割を果たせず、国家機関の業務に支障をきたす結果となった。一日も早く空席を埋めて各機関が仕事をできるよう与野党が政治力を発揮しなければならない。