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PF制度の改善案が触れなかった問題

Posted November. 19, 2024 09:03,   

Updated November. 19, 2024 09:03

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京畿道水原市光教(キョンギド・スウォンシ・クァンギョ)の湖水公園近くにあるショッピングセンター「アレイウェイ光教」は、2019年の完成直後から地域を代表する名所として浮上した。施行会社であるネオバリューが、商店街を分譲せずに直接運営しながら若年層が好む「ヒップな」飲食店とカフェなどの賃借人を誘致し、文化公演やフェスティバルなどの参加型イベントを企画し、人々を集めたおかげだった。

政府は今月14日、「不動産プロジェクトファイナンシング(PF)制度の改善案」で、能力の高い韓国型デベロッパーを育成するとして、アレイウェイ光教を代表事例に挙げた。分譲で収益を出すのが一般的な国内で、先進国型開発事業の方法を定着させるという。

国内では珍しいが、米国や日本では大型不動産開発会社が建物を建てた後、売却せずに直接運営する方法が早くから定着している。このような開発事業には、保険会社やファンド、一般個人までが持分投資家として参加する。資産価値の上昇に加え、着実に賃貸収益が出てくるためだ。海外不動産PF事業の融資の割合が低いのも、投資金を誘致して事業を行うためだ。

一方、先進国型開発事業が根を下ろすことができなかったのは、国内不動産市場の特性のせいが大きい。国内では着工時点で分譲する「先分譲」が一般的だ。最初の鍬入れをする前に分譲を受けた人から資金を誘致して、工事費に充てられる仕組みだ。

施工会社の立場では、投資を誘致して開発利益を持分通りに分けるよりは、PF融資を起こして土地を買い入れた後、早急に分譲するのが収益を最大化するのに有利だ。金融機関は、施工会社の保証だけを信じて資本力が脆弱な施行会社に「無条件融資」を行い、PF危機を大きくした。韓国開発研究院(KDI)のファン・スンジュ研究委員は、このような構造を「主要先進国の中では、どの国でもこのような構造を目にできない」とし、「ガラパゴス的不動産PFだ」と指摘した。

伝貰(チョンセ=住宅の賃貸保証金)制度も、PF構造をガラパゴスにさせた原因の一つだ。先進国型開発事業は、賃貸料、すなわち家賃で収益を出すが、伝貰ではこのような収益構造を作ることが難しいためだ。賃貸料の規制も足かせとなっている。企業型賃貸事業の場合、契約更新請求権、賃貸料上昇率5%制限に加え、「民間賃貸住宅に対する特別法」により初期賃貸料の制限、賃貸保証加入など、より一層こまかい規制が適用される。

政府は、国内PF事業構造を先進化するために、地主や施行会社などに対し税制恩恵と容積率規制などの「飴」を与えると明らかにした。さらに先進国型開発事業の方法が定着するためには、企業が家賃で収益を出せる土壌が整えられなければならない。制度改善策には盛り込まれていないが、伝貰の家賃化がさらに加速化し、家賃が上がる可能性もあるという意味でもある。

住居費用が過度に上がらないよう、速度を調節する必要はあるが、施行会社に分譲が最も容易な金儲けである土壌が変わらない限り、PF危機はいつでも再現できる。2011年の貯蓄銀行事態から分かるように、PF危機の最大の被害者は一般国民だ。与野党は9月、不動産開発事業管理法の制定案を共同発議した。せっかくPF危機を防ぐために声を一つにした与野党が、過度な賃貸料規制を柔軟に緩和することにも膝を突き合わせることを願う。