トランプ次期米大統領が、側近となった実業家イーロン・マスク氏の宇宙船打ち上げに出席する予定だ。マスク氏が率いる宇宙企業スペースXのロケット「スターシップ」の打ち上げに出席することは、トランプ次期政権で高まったマスク氏の地位を再確認させるケースだ。マスク氏発の宇宙産業の大幅な規制緩和を示唆する。
18日(現地時間)、ブルームバーグ通信は、トランプ氏が19日午後4時(現地時間・韓国時間20日午前7時)、スターシップの6回目の打ち上げが予定されている米テキサス州南部ボカチカビーチの「スターベース」に出席すると報じた。スペースXの創業者であり、トランプ政権の政府効率化省(DOGE)のトップに起用されたマスク氏を支持するためだ。
スターシップは現存する最も巨大なロケットで、約100人を宇宙に送ることができる推力を持つ。2026年に計画されている米航空宇宙局(NASA)の有人月面探査プロジェクト「アルテミス計画」に参加しており、今後、マスク氏が計画している「火星移住」にも活用されるとみられる。
今回の打ち上げは、スターシップの6回目の試験打ち上げで、先月13日に行われた5回目の打ち上げから約1ヵ月ぶりだ。これまで3、4ヵ月間隔で打ち上げが行われていたことを考慮すると、異例のスピードだ。
6回目の打ち上げでは、スターシップの2段目に相当する「スターシップ宇宙船」の再利用技術が検証される。スターシップ宇宙船は、宇宙空間でエンジンを点火して軌道を変更する課題を行う。その後、地球に再突入する過程で発生する熱にどれだけ耐えられるかを確認する遮熱実験なども行われる。
さらに、5回目の打ち上げで試みた「箸技術」の再検証も行われる。5回目の打ち上げでは、発射台「メカジラ」のロボットアームが、地球に再突入した1段目の推進体「スーパーヘビー」を箸でつかむように捉えた。この技術が適用されると、地上に着陸するよりも燃料を少なく使用し、スーパーヘビーの主要部品をより安定的に再活用できるという利点がある。トランプ氏は5回目の打ち上げ後、箸の技術に感銘を受けたと何度も言及した。
6回目の打ち上げにトランプ氏が出席することで、マスク氏が主張してきた宇宙産業の規制緩和の可能性が高まったと業界は見ている。これまでマスク氏は、米連邦航空局(FAA)のスターシップ打ち上げ許可の遅れを批判してきた。打ち上げ時に発生する産業廃水で環境保護庁(EPA)が課した罰金も足かせとなっている。このため、政府効率化省のトップを務めることになったマスク氏が、このような規制を大幅に緩和するとみられている。
チェ・ジウォン記者 jwchoi@donga.com