米司法省が8月、ワシントンの連邦裁判所が、「反トラスト法に違反した」と判決を下したグーグルの検索サービスの市場独占を是正するために、裁判所に企業分割を要請することが分かった。要請通りにグーグルがウェブブラウザー「クローム」を強制売却すれば、世界のオンライン検索市場に多大な影響を与えることが予想される。
ブルームバーグ通信は19日、政府関係者を引用して「司法省が20日、裁判所にグーグルのクローム強制売却命令を下すよう要請する予定」と報じた。司法省が8月にグーグルに対する反トラスト訴訟で勝訴したことに対する措置だ。これにより、裁判所は来年8月までにグーグルに下す是正命令の詳細事項を最終決定する。
グーグル側は強く反発している。グーグルの規制担当副社長のリー・アン・マルホランド氏は、「司法省が法的範囲を超える過激な議題を推進している」とし、「消費者や開発者に損害を与えるとともに、米国の技術的なリーダーシップにも悪影響を及ぼすことになる」と非難した。
ブルームバーグ通信によると、司法省は先月、裁判所に「グーグルの検索サービスの市場独占を解決するために『構造的な是正措置』が必要」という意見が盛り込まれた文書を提出した。通常、構造的是正は、事業部門の売却を通じた企業分割を指す。これにより、クロームと基本ソフトウェア(OS)「アンドロイド」、プレイストアなど、グーグルの核心事業分野のうち何が該当するのかに関心が集まっていた。
現地では、司法省の今回の動きが2000年のマイクロソフト(MS)の分割命令以来の「ビッグテックに対する最も攻撃的な動き」と見ている。トラフィック分析サービスのウェブサイト「スタットカウンター」によると、現在、クロームは世界検索市場の66.7%を占めている。今年7~9月のクローム検索サービスを通じた広告収入は、グーグル全体の売上の約70%に達する。また、クロームはグーグルの生成型人工知能(AI)モデル「ジェミニ」にも利用され、グーグルのAI市場支配力も減少させることができる。
ただし、バイデン政権より企業にやさしいトランプ氏が大統領に就任すれば、司法省の立場が変わる可能性があるという見方もある。MSも、クリントン政権時代の2000年に会社分割命令を受けたが、01年にブッシュ政権が発足した後、司法省が立場を変え、MSがライバル他社の参入障壁を下げるなどの措置を取ることで合意した。
イ・チョンア記者 clearlee@donga.com