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自動車と鉄鋼企業の「中国エクソダス」の隠された意味

自動車と鉄鋼企業の「中国エクソダス」の隠された意味

Posted November. 21, 2024 08:57,   

Updated November. 21, 2024 08:57

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自動車は「製造業の花」と呼ばれる。自動車1台に使われる部品は3万個を超える。目立たない小さなスプリングから、名前も聞き慣れないスタビライザー(車体の傾きを抑える装置)まで実に多い。使用される素材も鉄鋼や非鉄金属、ゴム、ガラス、プラスチック、炭素繊維など多様だ。

鉄鋼は「産業の米」と呼ばれる。最も重要な基礎素材ということだ。鉄鋼産業の競争力は、製造業全般の成長と雇用創出にも直結している。自動車、建設、造船、家電、機械など主要産業の安定的な発展のための基本素材が鉄鋼だからだ。

中国は過去30年間、世界の「花」と「米」をブラックホールのように吸い込み、躍進してきた。グローバルな自動車・鉄鋼企業が中国に殺到し、中国は「世界の工場」となった。これが中国の高度成長の土台になったのは明らかな事実だ。

ところが、しばらく前からグローバルな自動車・鉄鋼企業の「中国エクソダス」が続いている。特に、韓国企業がいち早く撤退している。17日、現代(ヒョンデ)製鉄は2003年に設立した中国北京法人を売却することを決めた。7日にはポスコグループが1997年に設立した工場を売却することを明らかにした。ポスコグループは昨年初め、中国広東省にある工場も処分した。東国(トングク)製鋼は昨年7月、中国法人の持分90%を中国地方政府に売却した。日本の鉄鋼企業の日本製鉄も7月、中国企業と20年間進めてきた合弁事業を中止した。

鉄鋼企業のこのような動きはある程度予想されていた。鉄鋼企業の主要顧客である自動車企業が先に中国から手を引いたためだ。現代自動車は2016年のTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)事態以降、中国での販売が急減し、21年に北京第1工場を、今年1月には重慶工場を売却した。日本のホンダ自動車は、中国工場3ヵ所の稼働を停止し、売却を検討する方針だ。日産自動車は6月、江蘇省で運営していた工場を閉鎖した。

グローバルな自動車・鉄鋼企業が中国から撤退するのは、金融資本が撤退することとは意味が異なる。金融資本の移動は日常茶飯事だ。しかし、巨大な装置産業である自動車・鉄鋼の移動は、企業の命運とも直結する。最も保守的に動くしかない。これらの企業が動くということは、結局、世界の成長を牽引してきた「世界の工場」の扉が閉じられることを意味する。

自動車・鉄鋼企業のこのような動きは、中国の体制回帰と関係していると思われる。中国が「世界の工場」になることができたのは、徹底した自己反省があったからだ。27年間政権を握っていた毛沢東の死後、中国は資本主義体制を受け入れた。毛沢東に対する反発で、中国の最高権力はそれなりの「民主的(?)手続き」に従って10年を周期に交代した。そうしてグローバル企業に予測可能な経営環境を提供した。毛沢東式共産主義がそのまま維持されていたら、中国は決して「世界の工場」になれなかっただろう。

現在の中国の体制問題について、我々が口出しすることはできない。最終的に中国という「世界の工場」はドアを閉めることになると思われる。変化に対応しなければならない時だ。韓国企業が他の国より早く動いているのはとても幸いだ。