Go to contents

3年間繰り返される「後の祭り」、小額生計費融資を増やすべきだ

3年間繰り返される「後の祭り」、小額生計費融資を増やすべきだ

Posted November. 25, 2024 08:43,   

Updated November. 25, 2024 08:43

한국어

「コ部長は40万ウォン、チョ代理は90万ウォン…」

シングルマザーのパク・ジョンミさん(仮名・35)が残した8枚の遺書にぎっしりと書かれた債務記録。最初に借りたのは、わずか40万ウォンだった。再開発で撤去を控えたソウル城北区(ソンブクグ)の「彌阿里(ミアリ)テキサス」で働いていたパクさんは、脳卒中を患っている70代の父親の代わりに幼稚園児の娘の世話をしてくれたベビーシッターに渡す金を工面する手立てが立たず、闇金融に手を出した。

縄だと思っていたが、結局息の根を止める罠だった。あっという間に利息が雪だるまのように増えた。期限内に元利金を返済できないと「1分に10万ウォン」という耐えられない利息が付き、その時から悪辣な取り立てが始まった。パクさんの知人はもちろん、娘の幼稚園教師にまで「体を売る」という内容の携帯メールを数百件ずつ送った。その後、半月も経たないうちに、パクさんは「来世でも愛するよ」という内容の遺書を娘に残して一人で亡くなった。

パクさんのニュースが伝えられると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は今月12日、「憤りを禁じ得ない」と述べた。それと共に「検察と警察は、捜査力量を総動員して違法取り立てを根絶し、金融当局は庶民金融支援策を全面的に再点検し、庶民が闇金の罠に陥らないようにせよ」と指示した。

数年間続く「後の祭り」を見ている気がする。尹大統領は昨年11月、闇金民生現場懇談会でも、「弱者の血を吸う悪質的犯罪」だと怒った。これに先立って、政府は2022年8月、闇金業者による取り立てに耐えられず共に命を絶った「水原(スウォン)3母娘事件」を機に、社会的公憤が起きるや、「闇金の清算に向けた汎政府タスクフォース(TF)」を立ち上げた経緯がある。

政府の度重なる脅しにも、効果は芳しくない。金融監督院が受け付けた闇金関連被害相談・申告件数は、2021年の9918件から2022年は1万913件、昨年は1万3751件に増えた。今年に入ってから10月までに1万2398件が受け付けられ、増加傾向が続いている。

社会的弱者層は、引き続き闇金に押し出されている。庶民金融研究院によると、昨年、消費者金融から闇金に押し出された低信用者だけで最大9万1000人と試算される。制度圏の最後の窓口である貸金業者が事実上、融資を止めてしまったからだ。法定最高金利が2021年7月から20%に縛られた中、金利高の長期化で調達金利が高くなり、延滞率は高騰し事業性が大きく悪化したためだ。消費者金融の信用融資残高は、2022年7月の10兆3786億ウォンから今年9月は8兆594億ウォンへと22.3%も激減した。同期間、新規信用融資を行う貸金業者も、64社から37社に減った。

低信用者に最大100万ウォン限度でお金を貸す「小額生計費融資」に関するPRと支援を大幅に拡大し、社会セイフティネットを確保しなければならない。昨年3月に発売されて以来、小額生計費融資者は急増している。延滞率も、8月末基準で26.9%で、昨年末(11.7%)に比べて2倍以上高くなっている。金融当局が融資利用回数の制限をなくしたことで、融資需要がさらに大きくなるものと予想され、国会予算案審議の過程で追加財源の調達案について議論する必要がある。庶民の急に必要なお金の窓口という趣旨に合わせて、現在は相談予約後5日ほどがかかる待ち時間も、できるだけ縮めなければならない。