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すべての誕生は祝われるべきこと

Posted November. 28, 2024 08:44,   

Updated November. 28, 2024 08:44

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子供の誕生は確かに祝われるべきことだ。ヤン・ステーンが描いた「誕生祝い(1664年・写真)」は、17世紀、オランダの中産層家庭で子供の誕生を祝うシーンを描いている。普通は子供と母親に焦点を置くものだが、ステーンは子供の父親を中心に描写している。なぜだろう?

ステーンは、17世紀のオランダ風俗画の巨匠で、日常生活を描写したジャンル画で有名だ。一見「誕生祝い」は、赤ん坊を誇らしく抱いた父親が人々から祝われるシーンに見える。彼の妻はまだ体が回復していないので、左後ろのベッドに横になってお粥を食べている。子供を産んだ部屋に夫以外の男性が入ってくるのはタブー視されていたため、家の中は女性でいっぱいだ。おそらく家族や親戚、助産師だろう。右側の女性たちは食べ物を作っていて、ベッドの端に座った女性は飲み過ぎで酔ったようだ。正常な状況なら、子供の父親はお祝いと歓声を受けて当然だが、女性たちの表情と行動を見ると、なぜか嘲弄されているようだ。画面右側の赤いドレスを着た女性は、乾いたソーセージを持って絵の外の観客を眺める。これは勃起不全を暗示する。床には割れた卵の皮が散らばっているが、当時「卵割り」は性関係を表現する言葉だった。圧巻は、子供の後ろを通って部屋を出る若い男だ。夫を除いた唯一の男である彼は、2本の指を子供の頭上に持ち上げ、意味深い笑みを浮かべている。彼の顔は、画家の自画像だ。子供の実父に関する真実を皆知っているが、女性の夫だけが知らないようだ。

だれの子であれ、どうでもいい。すべての誕生は当然祝福されるべきだ。それでもステーンは、色々な象徴と暗示を通じて子供を産んだ母親ではなく、父親に焦点を合わせた理由をそれとなく教えてくれる。結婚と家族、夫婦間の信頼と貞節、祝賀の意味、真実と偽りについて考えてみることを勧めているようだ。