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遠い先のことだと思っていた未来は意外と近いのかもしれない

遠い先のことだと思っていた未来は意外と近いのかもしれない

Posted November. 30, 2024 08:50,   

Updated November. 30, 2024 08:50

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「近いと思っていた未来は思ったより遠く、遠いと思っていた未来は思ったより近くにあった」

今年、財界2位のSKグループの構造調整を取り仕切ったSKスーペックス追求協議会の崔昌源(チェ・チャンウォン)議長が経営陣に対して言ってきた言葉だ。手に取るようだった電気自動車(EV)ブームは、中国向け市場の低迷で再び遠ざかった一方、映画の中のアイアンマンだけにあると思っていた人工知能(AI)は、2024年の韓国産業界をずっとリードした。

もう一度の年末を迎え、産業界の誰もが、1、2年後を予測するのは容易ではないということを改めて実感する。先週は欧州最大手のEVバッテリーメーカーであるノースボルトが破産し、これに投資したゴールドマンサックスとフォルクスワーゲンも1兆ウォンを超える損失を被ることになった。英紙ファイナンシャルタイムズはこのことを伝えながら、「欧州で最も多くの資金を調達したスタートアップだったノースボルトは、いまや一週間分の運営資金と8兆ウォンの借金のみ残っている」と報じた。

韓国国内の主要グループも、韓国先端産業の2大柱であるバッテリーと半導体で、悲喜が克明に分かれる一年を送った。バッテリー3社の北米工場計画の発表が真っ最中だった昨年5月まで、市場調査会社のSNEリサーチは米国のEVバッテリー市場について毎年平均63%ずつ、欧州は30%ずつ成長すると予想した。同社が今年9月まで集計したグローバルバッテリー市場の成長率(中国を除く)は、12.5%に止まっている。一方、昨年第3四半期まで三星(サムスン)やSKともに兆ウォン単位の赤字に苦しんでいたメモリ産業は、今年はAIが強くリードする半導体ブームを迎えた。

企業の水面下にあった場面は、これをさらに劇的に表している。SKハイニックスが10兆ウォンを払ってインテルから買収したNAND型フラッシュ部門(現ソリダイム)は昨年、4兆ウォンの赤字を出すと、内部経営陣は投資の最終責任の所在を互いに擦り付けるのに忙しかった。これまで持っていたキオクシアNANDの生産ラインさえ開店休業状態になると、これを高帯域幅メモリ(HBM)ラインに変えようという案も議論された。しかし、わずか1年後の今年に入って、AIサーバー市場が満開になると、NAND事業は華やかに復活した。崔泰源(チェ・テウォン)会長は、直接ソリダイム取締役会議長を務めた。

わずか1年前の今日、誰もバッテリーと半導体のこのような交差を予測できなかった。ただ、変化の波が迫った時、生存と淘汰の法則はいつも同じだ。座礁の危機から生き残ろうとする企業は、風向きに沿って柔軟に舵を切らなければならない。過度に積載された貨物は投げ捨てなければならず、固縛が弱かったところはないか徹底的に点検しなければならない。

そして生き残り、再び波の中に出なければならない企業の2度目のチャンスを支えるのが、政府や国会の役割だ。半導体はそれでも、与党が党方針として特別法を進めているが、今高波に耐えなければならない韓国バッテリー企業は、赤字の中で法人税減免さえ受けられずにいる。最大のライバル企業である中国のCATLは、上半期だけで7000億ウォンを超える補助金を追い風に、恐ろしく成長している。

テスラ出身のノースボルト最高経営責任者(CEO)のカールソン氏は辞任し、政治家や企業、投資家に対し、「グリーン転換を恐れたら後悔するだろう」と最後の言葉を残した。次に私たちに再び機会が訪れた時、「先のこどだと考えていた未来は、思ったより近くにあった」と嘆かないためには、今準備しなければならない。


郭道英 now@donga.com