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原則を失った「コイン課税」の延期、与野党が力を合わせて「借金投資」を助長か

原則を失った「コイン課税」の延期、与野党が力を合わせて「借金投資」を助長か

Posted December. 03, 2024 08:28,   

Updated December. 03, 2024 08:28

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与野党が、来年1月に施行予定だった仮想通貨投資所得に対する課税を、さらに2年猶予することにした。青年層を中心にした個人投資家らの反発を意識し、金融投資所得税を廃止することにしたのに続き、仮想通貨課税まで延期することにしたのだ。2年連続で大規模な税収パンクが現実化した状況で、「所得のあるところに税金がある」という租税の基本原則を崩すことが繰り返されている。

仮想通貨課税は、仮想通貨の投資で得た収益が年間250万ウォンを超えると、超過収益に対し22%の税金を課すことが柱となっている。このための改正所得税法は、2020年に国会で可決し、当初2022年から施行される予定だったが、与野党の合意で2度にわたって3年間延期された。ところが、来月1日の施行を控え、政府と与党「国民の力」が2027年に再び猶予する改正案を出したのに続き、最大野党「共に民主党」も控除限度を引き上げ、予定通り施行しようという従来の方針をあきらめて参加することにしたのだ。

政府と巨大両党は、仮想通貨課税のために制度整備がさらに必要だという立場だ。韓国内の取引所とは異なり、バイナンスなどの海外取引所で行われるコイン投資は100%把握できず、課税公平性に問題が生じかねないという。しかし、3年間の猶予期間中、課税準備を適切にせずに時間を流れるに任せた政府と国会の職務遺棄をまず非難せざるを得ない。

米国・英国・ドイツ・日本などの主要国は海外投資把握が容易ではないのに、すでに仮想通貨所得に対し課税している。韓国租税財政研究院も、「インフラ構築の不備を理由に課税を猶予するのは、海外の現状と比較して非常に異例のことだ」と指摘した。与野党が800万人に迫る韓国内コイン投資家の票心を得ようと、課税見直しに乗り出したという批判が出ている背景だ。

最近、コイン市場は、仮想通貨に友好的なドナルド・トランプ元大統領の再選後、過熱の様相を見せている。韓国内のコイン取引規模がコスピ・コスダックの株式の出来高を追い越している状況で、原則なしに繰り返される課税猶予が、下手をすれば借金投資ブームの火付け役になるのではないかと懸念される。今後、コイン課税までうやむやに終わらせないためには、関連法と制度、インフラを急いで構築し、租税政策の信頼を高めなければならない。