軍と警察が出動する非常戒厳の状況にも災害メールが作動せず、市民の混乱をさらに拡大させたと指摘する声が上がっている。これに対して行政安全部(行安部)は、戒厳令宣布は「発送要件」に当たらないと釈明した。
災害メールとは、政府と地方自治体から国民の安全に関する情報を送られる携帯電話メールのこと。「災害メールの放送基準および運営規定」によると、行安部は、△国家非常事態関連情報、△訓練を含む民防空警報、△大規模な社会災害状況の情報、△気象特報関連自然災害状況情報の4つの状況下で、基幹通信事業者と放送事業者に対して災害メール・放送送出を要請しなければならない。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が3日午後10時29分頃、非常戒厳令宣布後に軍ヘリを動員した武装戒厳軍が国会に進入するなど大きな混乱が起きた。しかし、翌日午前5時40分頃、尹大統領が戒厳解除を発表するまで、災害メールは1通も発信されなかった。行安部は、戒厳令が解除されて間もなく、「道路の薄氷が懸念されるので注意を」という災害メールを発信した。
一部の市民は、凍った道や交通混雑などには災害メールを乱発して疲れを誘発したが、いざ緊急状況となったときは鳴らなかったと批判した。行安部はこのような指摘に対し、「災害メールは、災害や局地戦など民防空状況の発生時に、人命および財産被害を予防するために発送する」とし、「非常戒厳のような事案はこれに該当せず、発信しなかった」と説明した。
行安部側は、「非常戒厳は凍りついた道よりはるかに緊急事案であるという一般の常識とあまりにもかけ離れた判断ではないか」「当時、携帯メールの発送について議論がなされか」という記者の質問には、「まとまった公式立場はない」と答えた。
ソン・ジンホ記者 jino@donga.com