戒厳事態の波紋が続く中、主要外交日程にも支障が生じている。来週から韓国と日本を訪問する予定だったオースティン米国防長官は、韓国訪問を取り止めて日本だけ訪問することを決めた。米国のオバマ元大統領やブリンケン国務長官も現在の韓国の状況に懸念を示した。
5日(現地時間)、ロイター通信は匿名の関係者を引用して、「近くオースティン国防長官が訪韓する計画を進めていたが、今は適切な時期ではないと判断した」と訪韓の取り止めを伝えた。当初、オースティン氏は、バイデン政権が強調してきた韓米日の安全保障協力の成果を点検し、第2次トランプ政権でも引き続き3ヵ国が協力するよう要請するため、韓国と日本を訪問する予定だった。しかし、戒厳事態の波紋が収拾できないほど大きくなり、日本だけ訪問することにしたとみられる。
ワシントンで4日に開かれる予定だった第4回韓米核協議グループ(NCG)会議、5日に予定された第1回NCG図上演習(TTX)も無期限延期となった。米国防総省のライダー報道官も5日、記者会見で、韓米核協議体(NCD)会議の中止理由を尋ねる取材陣の質問に、「韓国で起きたことを考慮した慎重な措置」と答えた。
ブリンケン氏は5日、趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官との電話会談で、韓国の戒厳宣布について深い懸念を表明し、国会で満場一致で戒厳令が解除されたことを歓迎した。国務省は、「ブリンケン長官が韓国の民主的回復力に対する確信を伝え、韓国の民主的手続きが勝利することを期待していると述べた」と明らかにした。そして、「同盟に対する米国の約束は依然として揺るぎない。同盟に対するいかなる挑発や脅威に対しても変わりない」と改めて強調した。
米国務省のパテル副報道官も、「同盟の根幹である韓国の法治と民主主義を引き続き支持する」とし、「米韓同盟は特定の大統領や政府を超越したパートナーシップ」と明らかにした。ライダー氏も、「在韓米軍の態勢に変化はない」と説明した。
オバマ氏は同日、イリノイ州シカゴで開かれたオバマ財団主催の民主主義フォーラムでの演説で多元主義を強調し、韓国の状況を取り上げた。オバマ氏は、「自分と違って見え、異なる考えを持つ人々にある程度の寛容さを示すことが民主主義の核心だが、これは比較的均質な国でも難しい。韓国で起きたことを見よ」と戒厳事態に言及した。そして「米国のように多人種、多民族、多宗教の国では(多元主義が)特に難しい」とし、分裂と二極化が私たちの時代の最大の課題だと指摘した。
林雨宣 imsun@donga.com