与党「国民の力」で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾賛成の動きが急浮上している。尹大統領に対する弾劾訴追案の2度目の採決(14日)を3日後に控えた11日現在、与党内では5人の議員が弾劾賛成の立場を公表した。弾劾訴追案は与党議員が8人造反すれば可決される。「国民の力」指導部でも「弾劾可決は避けられない」とし、これまで「秩序ある退陣」議論ではなく弾劾賛成に転換すべきだという声が出た。
「国民の力」の金宰燮(キム・ジェソプ)議員は同日午後、国会で記者会見を開き、「大統領の善意を頼みとする退陣の主張はもはや有効ではない」とし、「今、最も秩序ある退陣は弾劾だ」と主張した。趙慶泰(チョ・ギョンテ)、安哲秀(アン・チョルス)、金睿智(キム・イェジ)、金相旭(キム・サンウク)議員に続き、5人目の公開弾劾賛成だ。金宰燮議員は「国民の力が党論として弾劾に賛成するよう要請する」とし、「死ぬ道が生きる道だ」と述べた。
「国民の力」指導部も、弾劾賛成の流れに転換しつつある。与党関係者は、「尹大統領が自ら退陣する意思がないことを確認した」とし、「弾劾の代わりに秩序ある退陣を主張していた韓東勲(ハン・ドンフン)代表の努力は事実上終わった」と述べた。前日の議員総会で、「弾劾以外に大統領の権限を奪う方法はない」と発言した韓氏も、弾劾について熟考中だという。親韓系(韓東勲氏系)の関係者は、「捜査機関が大統領室の家宅捜索までした状況で、どんな事実がまた出てくるか分からない。弾劾賛成が避けられない」と話した。韓氏は、弾劾に関する立場を発表するか熟考しているという。
党論に関係なく、弾劾採決に出席するという与党議員も増えている。非常戒厳解除に賛成した議員、親韓系議員、若手議員、「非常戒厳」内乱常設特検案に賛成した議員ら31人を対象に調査した結果、弾劾賛成の意思を公表した5人のほかに、弾劾に賛成するかどうか明らかにしていない議員8人が弾劾採決に主席すると明らかにした。「国民の力」で少なくとも13人が採決に出席することになる。
12日に選出予定の、弾劾をめぐる党論を決定する与党院内代表候補らは相反する立場を示した。親尹系(尹大統領系)の権性東(クォン・ソンドン)議員(5期)は、「まだ弾劾反対が党論だ」と述べた。非尹(非尹錫悦)系の金台鎬(キム・テホ)議員(4期)は、「自由意志で投票できる方向になるだろう」と話した。親韓系の申志鎬(シン・ジホ)戦略企画副総長は、「親尹系が韓氏を追放し、党権を握ろうとする試みを非常に露骨にやっている」と主張した。
最大野党「共に民主党」は、12日の本会議で尹大統領に対する2度目の弾劾訴追案を報告する。同党は当初、弾劾訴追案をすぐに発議しようとしたが、追加で出てきた内乱関連情況などを補完することにし、発議を一日延期した。同党は、2度目の弾劾訴追案の採決は予定通り14日午後5時、本会議で行う方針だ。
金埈馹 jikim@donga.com