北朝鮮の官営メディアが11日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「非常戒厳」宣布の事実を初めて報道した。尹大統領が今月3日に非常戒厳を発表して8日が経った。
北朝鮮の朝鮮中央通信と労働新聞は、尹大統領の非常戒厳宣布と国会の解除要求による解除、その後の弾劾訴追案の発議と採決無効まで詳細に報道した。労働新聞は、北朝鮮住民が見ることができる。北朝鮮は、「尹錫悦の突然の戒厳令宣布は絶望感の表現」とし、「尹錫悦の政治的生命が早期に終わる可能性があると予評(予測・評価)し、厳重に注視している」とした。また、戒厳宣布の事実を説明しながら、「傀儡(逆賊)韓国の全土を阿鼻叫喚にした」とし、「韓国社会の脆弱性が明らかになった」と北朝鮮住民に向けて宣伝した。
官営メディアに国会議事堂前で行われたろうそく集会の写真21枚も掲載された。しかし、戒厳当日、市民と国会補佐陣が国会に入る戒厳軍と対峙し、抵抗する写真は公開しなかった。公権力に抵抗する韓国市民の姿を、徹底した統制の中で暮らす北朝鮮住民に見せないためとみられる。
尹大統領に対する国内非難集会を毎日報道していた北朝鮮は、非常戒厳が宣布された後は、集会をはじめとする国内ニュースを一切報道していない。
コ・ドイェ記者 yea@donga.com