幼稚園児の娘を一人で育てていた30代のシングルマザーを脅迫し、死に追いやった貸金業者が身柄拘束された。
ソウル鍾岩(チョンアム)警察署は16日、貸付業法および債権取立て法違反などの容疑で、30代男性のA氏を15日身柄拘束したと発表した。警察は、違法貸付業および債権取立て行為に使われた携帯電話と銀行口座などを貸した他の8人も、電子金融取引法および電気通信事業法違反などの容疑で在宅起訴した。
これに先立って9月、全羅北道完州市(チョルラブクド・ワンジュシ)にあるペンションでは、30代のシングルマザーが死亡した状態で発見された。被害者は生前、貸金業者から金を借りたが、後の取り立ての過程で持続的な脅迫を受けていたことが明らかになった。被害者は数十万ウォンを借りたが、A容疑者のグループは、年率で数千%の利息を要求し、1ヵ月も経たないうちに元利金だけで1000万ウォンに増えた。
A容疑者グループは、被害者が適時に金を返済できないと、その家族や同僚、娘が通う幼稚園などに侮辱や脅迫が書かれた携帯メールを数百通送って苦しめたという。被害者が自殺する前の9月初め、知人が警察情報官にこのような状況を知らせたが、保護措置は行われなかった。
警察が先月12日、一歩遅れてA容疑者グループを立件し、「遅れた捜査」を批判する声も上がった。当時、ソウル警察庁は、「事件の深刻性のために捜査部署を変更する過程でもう少し時間がかかった」とし、「(捜査が)遅れたことについては残念に思う」と釈明した。警察の関係者は、「今後、違法な債権取り立て行為を行った追加共犯などを特定して検挙する一方、違法貸金業者・債権取り立て行為などについては厳正に捜査する方針だ」と明らかにした。
イ・スヨン記者 lotus@donga.com