12・3不法戒厳宣言事件の「内乱首魁(首謀者)」容疑を受ける尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が捜査はもちろん弾劾審判手続きにも協力していない。国民向け談話で「法的、政治的責任を回避しない。弾劾であれ捜査であれ、堂々と立ち向かう」と明らかにしたこととは異なり、「一括拒否」と持ちこたえに入り、法曹界では迅速な強制捜査が必要だと指摘する声があがっている。
17日、憲法裁判所によると、尹大統領は憲法裁が送った国会の弾劾訴追案議決書を16日から今まで受け取っていない。李鎮(イ・ジン)憲法裁公報官は同日の記者ブリーフィングで、「大統領秘書室に人づてで渡して、(大統領室の)行政官が受け取ったが、受付証はもらえなかった」と明らかにした。憲法裁は書類を送りながら、送達を受け取った日から7日以内に答弁書を提出するよう要求したが、送達確認が遅れるれば、それだけ答弁書提出期限も延ばされる。大統領秘書室と官邸宛に送った一日特送郵便も送達が完了したが、大統領秘書室宛に送付した電子文書も送達の確認を受けていない状態だ。
尹大統領は捜査も拒否している。警察などが参加している非常戒厳共助捜査本部(共助本部)は17日、「16日、大統領官邸に送った出席要求書が『受取拒否』で返送処理された」と明らかにした。共助本は、趙志浩(チョ・ジホ)前警察庁長官と尹大統領との間の秘話フォン(セキュリティ携帯電話)の通信記録を確保するため、17日にソウル龍山区(ヨンサング)にある大統領室に対して2度の家宅捜索を試みたが、失敗した。
尹大統領は、検察が21日の出頭を求めて送った2度目の通知に対しても沈黙している。尹大統領は、弁護人の選任が完了していないとして、15日に通知した検察への出席をすでに一度拒否している。弁護団の構成が始まっただけに、出席要求を再度断る場合、逮捕状の請求など強制捜査が始まるとの見方が出ている。尹大統領側の石東炫(ソク・ドンヒョン)弁護士は21日、出席するかどうかについて、「申し上げにくい。明日(21日)ではない」とし、「捜査機関が互いに競争するように出席や出頭を要求しているが、そのへんが整理されなければならない」と明らかにした。
許桐準 hungry@donga.com