トランプ次期米大統領の最側近で、第1次トランプ政権で首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏(写真)や保守ジャーナリスのジェラルド・リベラ氏などが、米憲法が禁じるトランプ氏の「3選」を主張している。
米紙ワシントン・ポストによると、バノン氏は15日、ニューヨーク・ウォール街近くの高級レストランで開かれた保守の会「若い共和党クラブ」のイベントで、トランプ氏が2028年にも大統領選挙に出馬する準備ができるのではないかとして、出席者に「皆さんはその準備ができているか」と質問した。約1千人の出席者も熱烈な歓声を上げ、同意を示した。
バノン氏は同日のイベントでトランプ氏と電話で話し、トランプ氏との親交をアピールした。トランプ氏も出席者に感謝の意を伝えた。
1951年に批准された憲法修正第22条は「大統領職に2回を超えて選出されてはならない」としている。米大統領の3選は不可能ということだ。しかし、バノン氏は、トランプ氏が連任したわけではないため、もう一度出馬できるという強引な主張をしている。
FOXニュースの元アンカーのリベラ氏も17日、X(旧ツイッター)に、「トランプ氏と側近たちが近く憲法修正第22条の改正を議論するだろう」と話した。50州政府のうち38州だけが同意すれば、改憲手続きを踏むことができると主張した。トランプ氏が今回の大統領選挙で30州で勝利したため、改憲ムードづくりが難しくないということだ。
だが、トランプ氏は3選に挑戦しない意向を明らかにした。トランプ氏は今年4月、米誌タイムのインタビューで、「再選すれば、2回目の任期を終えた後に退任する」とし、「憲法修正第22条を覆すようなことはしない」と話した。
一方、先月5日に行われた米大統領選挙の結果にもとづき、全米50州と首都ワシントンで選ばれた計538人の選挙人が投票を行って大統領を正式に選出した。大統領選挙当日は、個々の州の全住民が直接投票を行い、今回の投票は彼らを代理する選挙人がその結果を再確認するために行われた。ほとんどの州は、大統領選挙の結果に反する選挙人の投票を禁止しており、離脱票が出にくい。
イ・ジユン記者 asap@donga.com·