Go to contents

「性的暴行犯の舌を噛んで有罪」60年ぶりに再審の道が開かれる

「性的暴行犯の舌を噛んで有罪」60年ぶりに再審の道が開かれる

Posted December. 21, 2024 08:55,   

Updated December. 21, 2024 08:55

한국어

自分に性的暴行を加えようとした男性の舌を噛み、重傷害罪で懲役刑を言い渡されたチェ・マルジャ氏(78)が、60年ぶりに裁判所で再審を受ける道が開かれた。

20日、法曹界によると、最高裁2部(主審・吳經美最高裁判事)は、チェ氏の再審請求を棄却した原審の決定を破棄し、事件を釜山(プサン)高裁に18日差し戻した。最高裁は、60年前の捜査過程で違法拘禁など、チェ氏が主張した再審請求の理由が信憑性があると見ており、裁判所はこれを再び覗き見なければならないと判断した。

1964年5月、当時18歳だったチェ氏は、自分に性的暴行を加えようとしたノ某氏(当時21歳)の舌を噛んで、1.5センチを切断した罪(重傷害罪)で拘束起訴され、釜山地裁で懲役10ヵ月、執行猶予2年を言い渡された。チェ氏は、性的暴行による正当防衛だと主張したが、裁判所は受け入れなかった。加害者のノ氏には、強姦未遂を除いた特殊住居侵入、特殊脅迫罪などが適用され、被害者のチェ氏より軽い懲役6ヵ月に執行猶予2年が言い渡された。

チェ氏の事件は、正当防衛が認められなかった代表的な事件と考えられてきた。以後、チェ氏は、事件発生から56年ぶりの2020年5月に再審を請求した。チェ氏は、過去の捜査過程で、「検事が違法的拘禁を行い、自白を強要した」等を再審請求の理由として主張した。しかし、1審と2審の裁判所は、これを裏付ける証拠が足りないとし、チェ氏の請求を棄却した。

しかし、最高裁は、約3年間の審理の末、「違法拘禁に関するチェ氏の一貫した陳述内容は十分信憑性があり、陳述に合致する直接・間接的証拠が提示された」とし、「チェ氏が検察に初めて呼ばれた1964年7月頃から拘束令状が発給され、執行されたと見られる1964年9月1日まで、違法に逮捕、監禁された状態で取調べを受けたと見る余地が十分ある」と判断し、事件を釜山高裁に差し戻した。


柳原模 onemore@donga.com