国会の弾劾訴追案の可決から1週間になるが、憲法裁判所の弾劾審判を受けることになった尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が関連書類の受け取りを拒否しており、弾劾審判の遅延が懸念されている。法曹界では、尹大統領が対国民談話で、「法的・政治的責任問題を回避しない」と明らかにしたにもかかわらず、法律家の知識と経験を活用して故意に遅延作戦を行っているという指摘が出ている。野党は、「常識以下の法のすり抜け」と強く批判している。
22日、法曹界によると、尹大統領は憲法裁が16日から郵便や人づてで何度も送った弾劾審判の受付通知と出頭要請書、準備命令などの書類を22日まで受け取っていないという。憲法裁は、受付通知書を受け取った日から7日以内に答弁書を提出するよう要請したが、受け取っていないため答弁書の提出も遅れている。
大統領弾劾審判で最初のステップとされる審判書類が1週間も受け取られていないのは初めてだ。2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は国会で弾劾案が可決された翌日、16年の朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領は可決当日に書類を受け取った。
尹大統領は書類の受け取りを拒む理由を明らかにしていない。法曹界では、法律家である尹大統領が憲法裁の弾劾審理期間(最長180日)を可能な限り遅らせ、保守支持層の結集を誘導しているという指摘が出ている。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の公職選挙法違反裁判の2審の結果などを通じて、世論反転の機会づくりのための「遅延作戦」を駆使しているということだ。法曹界関係者は、「責任を回避しないという国民との約束を守っていない」とし、「国政の不確実性をさらに高める行為」と指摘した。
「共に民主党」は尹大統領について、「ドジョウのように法をすり抜けて弾劾審判を回避しようとしている」と批判した。同党の「尹錫悦内乱真相調査団」副団長の徐瑛教(ソ・ヨンギョ)議員は22日、記者団に対して、「常識以下の人」とし、「このような態度を見せたことまで、弾劾審判に(憲法裁判官が)反映するだろう」と述べた。同党の尹鍾君(ユン・ジョングン)院内報道官も前日(21日)の論評で、「官邸、執務室などに人づてや郵便などあらゆる手段を使って送ったにもかかわらず、憲法裁の書類を拒否している」とし、「内乱の首謀者尹錫悦の『受取人不明』は『逮捕令状』が答えだ」と非難した。
キム・ジャヒョン記者 ホ・ドンジュン記者 zion37@donga.com