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不平等を拡大させる「チープ・フレーション」、成功ハシゴの復元を続けるべきだ

不平等を拡大させる「チープ・フレーション」、成功ハシゴの復元を続けるべきだ

Posted December. 25, 2024 08:44,   

Updated December. 25, 2024 08:44

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今は「チープ・フレーション(Cheapflation)」という言葉まで生まれている。英語で価格が安いという意味の「チープ(cheap)」と物価上昇を意味する「インフレーション(inflation)」の合成語である。安い商品が高い商品より価格がさらに大きく上がる現象を意味する。新型コロナの拡散後に現れた様子の一つだ。韓国銀行が2020年1月から昨年9月まで、ラーメンやハムなどの加工食品の価格変化を分析したところ、低価格商品の価格が16.4%高騰した時、高価商品は5.6%の上昇に止まった。

所得が少ないほど、安い商品を探すものだ。チープ・フレーションで、インフレまでも不平等に経験したことになる。実際、低所得層が体感した物価上昇率は、高所得層よりさらに大きかった。韓国銀行は、2019年第4四半期(10~12月)から2023年第3四半期(7~9月)の間、所得下位20%の実質的な累積物価上昇率は13.0%だったと分析した。所得上位20%の物価上昇率より1.3%ポイント高い。低所得層であるほど、より安い商品を買うために、より多く足を運ぶ可能性も高い。「足を運ぶ費用」まで加えれば、低所得層のインフレ負担はさらに大きくなる。

より安い商品で買い物をしながら財布の紐を締めても、低所得層から脱出することは難しい。これは1週間前に初めて発表された国家統計でも、そのまま確認される。統計庁の「所得移動統計」によると、2021年に所得下位20%に含まれた10人中7人は、1年が過ぎた後も所得下位20%に留まった。2017年に範囲を広げれば、5年間にわたり低所得層に留まった人々は、10人中3人の割合だった。2022年と2021年を比較した時、むしろさらに低所得階層に落ちた人も17.4%もあった。状況がそうだから、「運」に頼る人々はさらに増えている。今年第3四半期に宝くじを購入した世帯の割合は、同期基準で史上最高値を更新した。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の経済政策の中心キーワードは「ダイナミックな経済」だった。今年7月は、「ダイナミックな経済で庶民、中産層時代を具現する」としてロードマップも出した。ロードマップの3大柱の一つが、社会移動性の改善だった。社会移動性を高めるための方法としては、家計所得・資産拡充、主要生計費の軽減、弱者保護および再起支援強化などが提示された。相対的貧困率を、2028年には経済協力開発機構(OECD)の平均水準にまで下げるというふうに目標もいくつか設定した。

「12・3非常戒厳」で、現政権の政策は廃棄手順を踏んでいる。中長期的課題を盛り込んだダイナミック経済ロードマップもやはり「尹錫悦流」の政策で忘れられることは明らかだ。しかし、韓国経済の躍動性を生かすためには、階層移動を通じた成功はしごの復元が欠かせない。これは、政治的立場を離れて、誰もが同意できる事実だと思う。家計所得・資産拡充をはじめとする方法論も、やはり同じだ。政治的不確実性がもたらした経済政策の空白は、来年上半期(1~6月)まで続く可能性が高い。すでに立てておいた中長期課題のうち、与野党がともにできる地点は引き続き推進していかなければならない。中長期的構造改革までストップすれば、政治的状況がもたらした経済的問題はさらに深刻にならざるを得ない。