ロシアのプーチン大統領が、25日に発生したアゼルバイジャン航空の旅客機が墜落した事故について、3日が経って謝罪の意を明らかにした。ただ、ロシアの防空網によって撃墜されたという点については具体的に言及せず、「中途半端な謝罪」という指摘を受けている。
ロシア大統領府は28日、「プーチン大統領がアゼルバイジャンのアリエフ大統領と電話で会談し、悲劇的な事件がロシア領空で発生したことについて謝罪した」と発表した。ロシア大統領府は、「旅客機が(到着地である)グローズヌイ空港への着陸を数回試みたが、当時、グローズヌイ付近の上空はウクライナの無人機(ドローン)の攻撃を防ぐために防空網を稼働していた」と説明した。ロシアの誤認撃墜の可能性を事実上認めたのだ。
しかし、今回の発表でプーチン氏は事故の原因も明らかにせず、その責任も認めていない。被害補償や責任者の厳罰などにも言及しておらず、アゼルバイジャン側が不快感を示したという指摘もある。
アゼルバイジャン大統領府は同日、「両国の大統領が電話会談した」と発表し、旅客機の墜落責任がロシアにあることに触れなかった。しかし、「プーチン大統領は、旅客機がロシア領空で外部からの物理的、技術的な影響を受けて悲劇的な事件が発生したことを謝罪した」と明らかにした。ロシアの防空網によって旅客機が撃墜されたことを迂回的に強調したものとみられる。また、アリエフ氏は、「航空機の胴体に多数の穴があり、乗客と乗組員は機内に突入した『異物』で負傷した」とし、「旅客機はパイロットたちの勇気と専門性のおかげで緊急着陸した」と明らかにした。
アリエフ氏は事故当日、独立国家共同体(CIS)非公式首脳会議に出席するため、ロシアのサンクトペテルブルクに向かう途中、墜落のニュースを聞いてすぐに帰国した。米紙ニューヨーク・タイムズは、「アゼルバイジャンは、ロシアを敵対視せず、西側との経済関係を構築するために長い間努力してきた国」とし、「プーチン大統領の『中途半端な謝罪』が現地で怒りを招き、旧ソ連へのロシアの影響力に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。
イ・ジユン記者 asap@donga.com