「ハン・ガン(韓江、Han Kang)」
10月10日午後8時、スウェーデンのスウェーデン・アカデミーから聞こえてきた二つの音節に世界が揺れた。2024年ノーベル文学賞受賞者の小説家の韓江(ハン・ガン)氏(54)が指名される瞬間だった。韓国人初のノーベル文学賞受賞であり、123年のノーベル文学賞の歴史で初のアジア女性の受賞だった。誰も予想できなかった「サプライズ受賞」だった。スウェーデン・アカデミーは受賞者に選定した理由について「韓江の作品は歴史的トラウマに対抗し、人間生活の軟弱さを暴露する強烈な詩的散文」とコメントした。一人の作家の生涯にわたる作品世界に献呈する意味を持つノーベル文学賞を50代の作家が受賞したのも異例のことだった。
2024年、韓国人初のノーベル文学賞受賞は「韓江効果」と呼ばれるような文学ブームを呼び起こした。韓氏の作品の販売部数は、ノーベル文学賞受賞から5日で100万を突破した。代表作の一つである「少年が来る」は10年間、総合ベストセラーの中で最大の年間販売部数を記録し、新しい「文学の時代」を切り開いた。若年層では「韓江筆写」や「テキストヒップ(texthip=作文フィバー)」が人気を集めた。韓氏のノーベル文学賞受賞はKポップやKムービーなどで世界を席巻した「Kカルチャー」のまた別の全盛期を見せつけたという評価を受けている。
キム・ソミン記者 サ・ジウォン記者 somin@donga.com