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戒厳に惨事に…不安と混乱の中で暮れる2024年

戒厳に惨事に…不安と混乱の中で暮れる2024年

Posted December. 31, 2024 08:37,   

Updated December. 31, 2024 08:37

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2024年甲辰年の一年が混乱と不安の中で暮れていく。今年は年明けからディオールバック受領の映像、突然の医学部定員2千人増員、4・10総選挙後にさらに激化した政治闘争、ブローカーのミョン・テギュン氏の波紋が続いた。国民の生活から心配を取り除くべき政治が、国政と日常に足かせとなったもどかしい一年だった。2%にも満たない経済成長、信じていた半導体産業の低調など経済に大きな困難があったが、韓江(ハン・ガン)氏のノーベル文学賞受賞のように晴れやかな瞬間もあった。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は12月3日に「非常戒厳」を宣布したが、すぐに国会によって解除され、11日後に弾劾訴追案が可決され、職務から排除された。歴史の時計を1980年頃に戻した暴挙だったが、大統領の過ちを正す民主的な手続きがあることを確認したのは小さな慰めでもあった。それでも現職大統領が銃と斧の使用を促したという検察の公訴状が公開され、大統領権限代行まで弾劾された後、全羅南道務安(チョンラナムド・ムアン)で179人が死亡する航空機事故が発生した。97年の通貨危機、2016年の朴槿恵(パク・クンへ)大統領の弾劾時も憂鬱な年の暮れを迎えたが、衝撃と喪失は今年と比べることはできない。

今年は政権3年目を迎え、大統領が初期の失敗を乗り越えて国政を軌道に乗せるという期待が大きかったが、むしろ混乱は深まった。その出発点が大統領夫妻たったことは、言葉を失わせる。医学部増員・公認介入・ミョン・テギュン氏の音声ファイルなどは、「問題は大統領夫妻だ」と言っているようだった。24年が「夫妻の乱」で汚されたと言っても、返す言葉はないだろう。尹大統領は高位公職者犯罪捜査処(公捜所)の出頭要請を無視し、憲法裁の書類送達も拒否した。現職大統領が司法制度を認めないような態度は驚くべきことだ。

独断的な「不通」のリーダーシップは、突然出した医学部増員政策による「医・政」対立で顕著にあらわれた。大学病院の専攻医1万人が反発して集団辞職し、医学生は合同休学に突入した。苦痛は患者と家族の負担となった。政策を推し進めながらも、なぜ2千人でなければならないのか、今後どうするのか、政府の誰も明確に説明できなかった。国政がこのままではいけないという信念が広がっていった24年だった。尹政府が強調していた年金・労働・教育改革も、ただのレトリックにすぎない。

そのような不満を解消してくれたのは、韓氏がアジア女性として初めてノーベル文学賞を受賞したことだった。私たちが長い間、紆余曲折を経ながら積み重ねてきた韓国の文章と思考の力を世界が認めたのだ。大統領弾劾と韓氏のスウェーデンでの授賞式が重なった12月ある日の姿は、韓国社会の異質な二つの顔だった。さらに8月のパリ五輪は、太極戦士たちが弓、銃、剣などで最高の成績を収めたという朗報が届いた。弾劾の瞬間、平和的な集会を導いた市民の力量も際立った。

一年を締めくくる今、来年1月に復帰するトランプ大統領が韓米同盟にどのような困難をもたらすか心配されている。在韓米軍の性格、駐留経費負担協定の改定など安全保障領域以外にも、トランプ氏が予告した関税導入や先端技術政策構想は、韓国の対米貿易構造を揺るがす可能性がある。トランプリスクの不可測性は、核の脅威を越え、憲法で「交戦中の敵対国」と表現した北朝鮮の変数がむしろ小さく感じられるほどだ。政府が綿密に対応すべき時だが、政府の不在が大きく感じられるのが現実だ。

今、私たちの最優先課題は、務安惨事の収拾と正確な原因究明を通じた未来対策の準備だ。私たちは国難があるたびに毅然と乗り越えてきたDNAを持っている。どうにかして克服する方法を見つけるだろうし、しばらくすればもっと強固になっているだろう。今年、政治の失敗を確認したが、それは政治家の失敗であって国民の失敗ではない。大統領選挙があるかもしれない新年、よりしっかりと問い詰め、検証しながら主権を行使すればよい。24年甲辰年、私たちを襲った混乱と闇が一年の最後の夕日とともに消え、25年乙巳年の新たな出発のための黎明につながることを信じる。