Go to contents

滑走路、コンクリート構造物、鳥…惨事は数々の危険信号に目をつぶった結果

滑走路、コンクリート構造物、鳥…惨事は数々の危険信号に目をつぶった結果

Posted January. 02, 2025 08:37,   

Updated January. 02, 2025 08:37

한국어

179人の尊い命が犠牲になった務安(ムアン)国際空港の済州(チェジュ)航空機事故をもたらした原因が次々と明らかになっている。今回の事故航空機は、鳥の衝突直後、胴体着陸を試みたが、滑走路を離れ、ローカライザー(方向誘導装置)が設置された土台にぶつかって爆発した。

空港には、航空機の「オーバーラン」に備えた滑走路端安全区域があり、その区域内の設置物は衝撃を和らげる材質を使用しなければならない。国土交通部は、務安国際空港のローカライザーが安全区域から5メートルほど離れて設置されたため、この規定が適用されないと主張してきた。しかし、国土交通部の告示は、安全区域をローカライザー設置地点までと明記しており、コンクリートの構造物が設置されてはいけないことが分かった。

務安国際空港は、滑走路延長工事のため、2800メートルだった滑走路が300メートルほど短くなっていた。工事中に安全区域を確保するために滑走路を短くするという不合理なことが行われたのだ。滑走路と安全区域が十分に確保されていれば、事故機は速度を落として衝突を回避できたかもしれない。

そもそもコンクリートの構造物が設置された理由も謎だ。傾斜した地形を平らにしようとしたと推定されるが、2メートルほど突き出た形で設置され、事故機の正面を塞いでしまった。ローカライザーとは別に設置しなければならない誘導灯まで乱雑に設置されていた。

務安国際空港は運航便数に対する鳥類衝突発生率(0.09%)が全国14の空港の中で1位だった。事故の10日前に開かれた務安国際空港鳥類衝突予防委員会では、人員、車両などの不足で鳥類の分散、捕獲実績が前年比14.4%減少したことを懸念していた。にもかかわらず、事故当時、現場には1人しか勤務していなかったという。

鳥を積極的に駆除していたら、コンクリートの構造物がなかったなら、滑走路とその外側の安全区域が十分に確保されていたなら、大規模な人的被害は避けられていたことが明らかになった。事故につながりかねない危険を警告するシグナルが積み重なっていたが、それを無視したのだ。今回も油断が大惨事を招いた。