1・6暴徒と反弾劾デモ隊...韓米のハラハラする平行線
Posted January. 10, 2025 08:56,
Updated January. 10, 2025 08:56
1・6暴徒と反弾劾デモ隊...韓米のハラハラする平行線.
January. 10, 2025 08:56.
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トランプ次期米大統領のスローガン「MAGA(Make America Great Again・再び米国を偉大に)」の元祖は、第2次世界大戦時にイタリアを率いたファシスト指導者ムッソリーニという主張がある。一般的には、1980年の大統領選挙でロナルド・レーガン元大統領が最初にMAGAを掲げたと言われているが、それよりも先に「MAGA」を言ったのはイタリアのムッソリーニだということだ。1927年、ムッソリーニは(偶然にも現在のトランプ氏の「最愛の」放送局FOXニュースの前身である)FOXフィルムのニュースに出演した。イタリア出身の米国移民を激励するためのスピーチだった。「私は米国を代表する誠実な米国国民、そして米国を偉大にする(Make America Great)ために努力しているイタリアの同胞がここにいることを知っている」。米紙ワシントン・ポストが2016年に公開した白黒映像で、ムッソリーニは強いイタリアアクセントの英語で、米国の建設に貢献した自国出身の移民を激励した。約10年後、ドイツではヒトラーが「ドイツを再び偉大にする新しい理念を作らなければならない」とMAGAを変奏した。むろん、「MAGA」がムッソリーニとヒトラーにとって代表的なスローガンではなかった。しかし、歴史上最も象徴的な2人のファシストの口から出た言葉が今、それも最側近でさえ「ファシスト」と非難したトランプ氏を筆頭に世界中に広がっていることは、妙な既視感を覚える。韓国も例外ではない。4年前、ワシントンで大統領選挙の結果に不満を抱いたデモ隊が叫んだ「盗みをやめろ」というスローガンと星条旗が、今は漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸前を覆っている。連日激化する弾劾反対デモを見て、英紙ガーディアンは「韓国社会の周辺部のこの集団は、米国の右派の選挙詐欺の主張を吸収している」と診断した。米紙ニューヨーク・タイムズは、デモ隊が「韓国版(South Korean version) MAGA」と指摘した。2021年1月6日に連邦議会議事堂乱入暴動を起こした米国のトランプ支持者と韓国の弾劾反対デモ隊の間には大小の違いがある。1・6のデモ隊がトランプ氏の熱狂的なファンだったのに対し、韓国の弾劾反対デモ隊は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領個人ではなく、尹氏が強調した「従北左翼国家崩壊論」を支持する勢力に近い。しかし、注目すべきは両集団の共通点だ。いずれもソーシャルメディアに過度に依存し、選挙詐欺の主張を信奉する。粛清、処刑、死刑といった極端な表現も多用する。権威主義的な指導者と自分たちが偉大だと思う過去への回帰を擁護する。多くの人が憲法裁判所の弾劾審判の結果が出れば、今の対立と混乱がいかなる形であれ解消されると考えている。しかし、「弾劾認容」の場合、弾劾反対勢力が大きな混乱を起こす可能性も排除できない。「韓国版MAGA」による「韓国版1・6事態」が発生する可能性があるということだ。2020年の米大統領選挙で敗北した後、トランプ氏は「1月6日は非常に興味深いだろう」という言葉で暴力事態に火をつけた。現時点で尹氏がトランプ氏と決定的に異なっていなければならないのはこの点だ。
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トランプ次期米大統領のスローガン「MAGA(Make America Great Again・再び米国を偉大に)」の元祖は、第2次世界大戦時にイタリアを率いたファシスト指導者ムッソリーニという主張がある。一般的には、1980年の大統領選挙でロナルド・レーガン元大統領が最初にMAGAを掲げたと言われているが、それよりも先に「MAGA」を言ったのはイタリアのムッソリーニだということだ。
1927年、ムッソリーニは(偶然にも現在のトランプ氏の「最愛の」放送局FOXニュースの前身である)FOXフィルムのニュースに出演した。イタリア出身の米国移民を激励するためのスピーチだった。
「私は米国を代表する誠実な米国国民、そして米国を偉大にする(Make America Great)ために努力しているイタリアの同胞がここにいることを知っている」。米紙ワシントン・ポストが2016年に公開した白黒映像で、ムッソリーニは強いイタリアアクセントの英語で、米国の建設に貢献した自国出身の移民を激励した。
約10年後、ドイツではヒトラーが「ドイツを再び偉大にする新しい理念を作らなければならない」とMAGAを変奏した。むろん、「MAGA」がムッソリーニとヒトラーにとって代表的なスローガンではなかった。しかし、歴史上最も象徴的な2人のファシストの口から出た言葉が今、それも最側近でさえ「ファシスト」と非難したトランプ氏を筆頭に世界中に広がっていることは、妙な既視感を覚える。
韓国も例外ではない。4年前、ワシントンで大統領選挙の結果に不満を抱いたデモ隊が叫んだ「盗みをやめろ」というスローガンと星条旗が、今は漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸前を覆っている。連日激化する弾劾反対デモを見て、英紙ガーディアンは「韓国社会の周辺部のこの集団は、米国の右派の選挙詐欺の主張を吸収している」と診断した。米紙ニューヨーク・タイムズは、デモ隊が「韓国版(South Korean version) MAGA」と指摘した。
2021年1月6日に連邦議会議事堂乱入暴動を起こした米国のトランプ支持者と韓国の弾劾反対デモ隊の間には大小の違いがある。1・6のデモ隊がトランプ氏の熱狂的なファンだったのに対し、韓国の弾劾反対デモ隊は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領個人ではなく、尹氏が強調した「従北左翼国家崩壊論」を支持する勢力に近い。
しかし、注目すべきは両集団の共通点だ。いずれもソーシャルメディアに過度に依存し、選挙詐欺の主張を信奉する。粛清、処刑、死刑といった極端な表現も多用する。権威主義的な指導者と自分たちが偉大だと思う過去への回帰を擁護する。
多くの人が憲法裁判所の弾劾審判の結果が出れば、今の対立と混乱がいかなる形であれ解消されると考えている。しかし、「弾劾認容」の場合、弾劾反対勢力が大きな混乱を起こす可能性も排除できない。「韓国版MAGA」による「韓国版1・6事態」が発生する可能性があるということだ。2020年の米大統領選挙で敗北した後、トランプ氏は「1月6日は非常に興味深いだろう」という言葉で暴力事態に火をつけた。現時点で尹氏がトランプ氏と決定的に異なっていなければならないのはこの点だ。
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