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28日、金海(キムヘ)国際空港で離陸を準備していた香港行きエアプサンの旅客機で火災が起きた。搭乗客169人など176人の全員が非常スライドで脱出し、死者はいなかったが、7人がけがをした。179人の命を奪った務安(ムアン)空港で起きた済州(チェジュ)航空旅客機惨事からわずか30日後に起きた事故で航空機の安全に対する市民の不安が高まっている。
釜山(プサン)消防災害本部によると、同日午後10時15分ごろ、金海空港の係留施設で乗客169人、整備士1人、乗務員6人の計176人を乗せて離陸を準備していた香港行きのエア釜山の航空機BX391便の尾の方から火が出た。航空機内部の左側後方棚(オーバーヘッドビン)内の荷物から「パタパタ」の音の後に煙が発生し、棚の隙間から火の粉が落ち、機内の前方に煙が広がった。乗客と乗務員は、非常口の出入り口2つを強制開放後、スライドを利用して全員脱出した。避難の過程で7人が打撲傷などを負った。
消防当局は午後10時38分、対応第1段階を発令し、138人を投入して火災の鎮圧に乗り出した。消防隊員たちは、航空機の翼の方に広がってくる炎を遮断するために防御線を張り、ポンプ車13台など装備68台を投入して水を撒き、1時間16分後の11時31分、航空機の上段部分を燃やした後、完全に消えた。消防の関係者は、「機内後方の厨房で待機していた乗務員が、閉まっていた棚内部で煙と炎が起きたと通報したことから、棚内部の特定物体から火災が起きたと推定される」と話した。
モバイルバッテリーなどの電子機器が、有力な火災原因に挙げられている。国土交通部(国土部)の航空鉄道事故調査委員会(事調委)は30日、釜山警察庁や釜山消防災害本部、国立科学捜査研究院などとともに現場合同鑑識の準備に突入した。機体製作会社のエアバスの関係者6人とフランス航空事故調査委員会(BEA)の関係者4人も同日、現場に到着し、現状を共有した。事調委は、事故原因を解明するため、前日、現場で回収したブラックボックスの音声記録装置(CVR)と飛行記録装置(FDR)を分析する計画だ。
釜山=カン・ソンミョン記者、イ・チュクボク記者 smkang@donga.com