延坪海戦の英雄の妻の叫び

第２延坪（ヨンピョン）海戦の英雄、故ハン・サングク上士の妻であるキム・ハンナさんが、国会前で孤独なデモを始めた。デモの目的は、軍加算点の復活だ。２６年前、公務員試験と公企業の採用試験に適用されていた軍加算点が、男女平等の原則に反するとして違憲判決を受けた。針の穴のような採用試験を受ける女性や未兵役者にとってはそのように感じるかもしれない。しかし、それでも軍加算点の廃止が、より大きな差別であり無責任であるという考えには至らなかったのだろうか。

軍加算点の対象は男性ではなく軍服務者だ。大半の男性に利益があるというのであれば、軍で女性人材の活用を増やすこともできただろう。公務員試験に適用される軍加算点に問題があると言うのであれば、軍での経験を社会的な経歴として認めることもできる。画一的な加算点ではなく、多様な特性を保障する方法もある。学校や企業が特性に応じて自由に軍服務に対する報償点を与える文化も必要だ。

こうした試みを行うとまた公正性を持ち出してくる。韓国社会は奇妙な公正性の論理に陥っている。最近の世界もそうだが、集団や画一化の論理で表面に現れる小さな差異をより大きくし、見えない差別に変えてしまう。

具体的な方法には専門的な研究が必要かもしれないが、ここで強調したいのは、加算点の廃止が引き起こした軍軽視の風潮だ。多くの若者が軍服務を強制的な奴隷生活に例える中で、軍加算点の廃止はこの風潮を目に見える形で助長している。いくつかの補完策が実施されたものの、目に見える制度も必要だ。軍服務を奴隷視する風潮に対処する堂々とした具体的な努力も不足している。

兵士たちは自己犠牲を払い、国民の生命と暮らしを守っている。兵士の給料を引き上げ、福祉を改善するとしても、重要な時期に国防に尽くした時間を十分に補償することはできない。また、彼らは皆母親の息子である。軍勤務を国家が正当に報いるべきだという主張が、どうして特定の性別の問題であり、差別の問題だと言えるのだろうか。