ウクライナ戦争危機の解決に積極的に乗り出しているフランスのマクロン大統領(44・写真)が、4月の大統領選での再選やドイツのメルケル前首相の引退で空席になった欧州連合(EU)のナンバー1の座などを狙って無理に事を進めているという指摘を受けている。ロシアの侵攻脅威が解消されていないのに、自身の介入で戦争危機がすぐに消えるという過度な楽観論を展開しているのだ。
ロイター通信などによると、7日にロシア・モスクワでプーチン大統領と会ったマクロン氏は「私たちの会談により、ウクライナ危機が解消されるだろう」と話した。マクロン氏は、プーチン氏から「ウクライナ国境地域の軍事的緊張を悪化させない。親ロ反政府軍が多いウクライナ東部のドンバス地域でも平和協定を守り、ベラルーシに派遣されたロシア軍も撤収させる」という発言を聞いたと明らかにした。
だが、その翌日、ロシアのペスコフ大統領報道官は「事実無根」とし、「ロシアはフランスとそのような合意をしていない」と反論した。また、「フランスはEU加盟国であり北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、EUの指導者ではなく、NATOも他の国(米国)が主導している」とフランスとマクロン氏を同時に批判した。
ウクライナまで懐疑的な反応を見せた。ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、首都キエフでマクロン氏と会談を行ったが、「私は言葉を信じない」とし、マクロン氏の発言を全面的に信頼できないという反応を示した。米紙ニューヨーク・タイムズは、「ロシアはフランスでなく米国がロシアとの協議に入らなければならないとする立場」とし、マクロン氏の「シャトル外交」は、フランス外交の権威と信頼を弱め、ウクライナ危機の解消にも成功的ではなかったと指摘した。
金潤鍾 zozo@donga.com