Go to contents

新規感染者が過去最多の34万2446人、医療界「3月末と4月初頭が最大の危機」

新規感染者が過去最多の34万2446人、医療界「3月末と4月初頭が最大の危機」

Posted March. 10, 2022 08:35,   

Updated March. 10, 2022 08:35

한국어

新型コロナウイルス感染症の流行状況が、連日悪化の一途をたどっている。新規の感染者は、9日に34万人台となり、政府予測を大幅に上回る規模へと急増している。医療界では、重症者がさらに増えるものと予想される今月末と来月初頭を、医療体系の危機と見ている。

●政府予測より速い増加傾向

9日、疾病管理庁によると、同日0時基準の新規感染者は34万2446人で、前日より約14万人急増した。韓国国内で新型コロナが流行して以来、最も多い。1日の新規感染者は、週末の間に減少した検査件数が反映される月曜日と火曜日に割合少なく、水曜日から増加する傾向がある。しかし、これを勘案しても、1週間前の2日(21万9224人)の1.6倍へと大幅に増えた数値だ。

現在、新型コロナの流行増加の勢いは、防疫当局の予測よりさらに大きくかつ早いテンポで進んでいる。これに先立って、先月28日に防疫当局が予想値として発表した9日の新規感染者数は23万人だった。実際はこれより約11万人も多い。当局はまた、1日の新規感染者が最も多く出るピークを35万4000人と予測し、その時点は今月12〜15日とみていた。この時点も早まっている。最近、政府が防疫を相次いで緩和後、感染者が増加している流れを見れば、ピークの規模もさらに拡大する可能性が高い。

●葬儀場や火葬場は「頭打ちの状態」

韓国国内の新型コロナの流行を完全に主導している「オミクロン株のウィルス」は、他の株のウィルスより伝播力が速い代わりに、重症化率と致死率は低い。しかし、全体の感染者が多くなったため、これと比例して重症者と死者の数も速いスピードで増えている。9日0時基準の重症者は1087人で、2日連続で1000人を越えた。同日の死者も158人で、1週間の間3桁だった。この1週間(3〜9日)で発生した死者は1174人に達する。

新型コロナの死者の急増の影響で、首都圏の一部地域の葬儀場と火葬場は頭打ちの状態となっている。8日に新型コロナで父を亡くしたイムさん(54)は、「ソウル市内の葬儀場には席がないというので、(父がこの世を去った後)1日後に葬儀の手続きを始めた」と伝えた。続いて、「ソウルや京畿道(キョンギド)の火葬場も満杯で、5日以上待たなければならないと言われた。生前に父から『葬儀は質素に行え』といわれたが、仕方なく(3日葬ではなく)6日葬を行うことになった」と話した。ソウルのA大学病院の関係者も、「空きがなく、葬儀場を取ることができないケースが1日に20人ずつ増えている」とし、「火葬場の待機までできて、1週間前からは3日葬が難しくなり、4〜6日葬を行うのが常だ」と話した。

●「3月末と4月初頭」が危機

医療界では、今月末から来月初頭にかけて、医療体系が危機に見舞われるだろうという懸念が高まっている。感染者数がピークに達した後、約2週間ほどの時差を置いて重症者が増加する時点をこの時と見ているのだ。

当局は、現在1000人台の重症者が2500人まで増えても耐えられるという立場だが、医療現場の声は違う。嘉泉(カチョン)大学キル病院感染内科のオム・ハンシク教授は、「現在、ECMO(人工心肺装置)や人工呼吸器などの治療機器の導入が円滑でない医療機関もあるうえ、医療スタッフへの感染が増えるにつれ、重症者の世話をする人員がさらに減少している状況だ」と伝えた。オム教授は、「政府は、重症者の病床を2700床ほど用意したというが、こうした状況を考慮すれば、実際はすべてが運営可能な病床とは考えにくい」と述べた。嘉泉大学医学部予防医学科のチョン・ジェフン教授は、「新型コロナの飲む治療剤を、今よりさらに積極的に活用し、状態が重症化する患者を減らさなければならない」と強調した。


キム・ソヨン記者 ユ・グンヒョン記者 ksy@donga.comnoel@donga.com