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「物価は10月がピーク」と言ったのに公共料金の相次ぐ値上げ予告か

「物価は10月がピーク」と言ったのに公共料金の相次ぐ値上げ予告か

Posted October. 01, 2022 08:53,   

Updated October. 01, 2022 08:53

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今日から、ガス料金が1世帯当たり平均月5400ウォン、電気料金は2270ウォンが値上がりする。12月からはタクシー料金の引き上げも予告されている。公共料金の引き上げは、5~6%台の高止まりの状態である物価に悪影響を及ぼす。急激に上がった金利に耐えていれば、政府の言葉のように10月頃に物価がピークに達し、インフレの大きな峠を越えると期待していた消費者としては、不安が大きくならざるを得ない。

韓国ガス公社は、4人世帯の都市ガスの平均料金を月3万3980ウォンから3万9380ウォンに15.9%引き上げた。韓国電力も、予定されていた引き上げ分に1キロワット(kWh)当たり2.5ウォンをさらに上乗せして電気料金を引き上げた。政府は、エネルギー料金の価格調節機能を回復させるため、燃料の輸入価格に合わせて公共料金を段階的にさらに引き上げる予定だ。これに加えて、ソウル市はタクシー大乱を解消するという趣旨で、12月から深夜時間のタクシーの基本料金を700ウォン引き上げ、来年2月からは昼の基本料金も1000ウォン引き上げる。

燃料価格の高騰で、韓電やガス公社の赤字が手のほどこしようもなく膨らんでいるだけに、公共料金の引き上げは避けられない面がある。過去の政府が世論を意識して、適時に料金を上げずに抑制し、累積した副作用が今現れている。「前政権の5年間、10回も電気料金の引き上げを要請したが、ただ一度だけ承認された」と韓電社長が訴えたほどだ。

時機を逸して、遅ればせながら、経済体質をエネルギー低消費・高効率構造に変えることには大きな苦痛が伴うほかはない。早くから危機の実状を国民に知らせ、備えさせていたら、衝撃は一層少なかっただろう。ウクライナ戦争が勃発してエネルギー価格が高騰してから7ヶ月以上も特別な消費抑制策を出さなかったが、今になって政府が「エネルギー10%節約運動」を展開することも、やはり後の祭りという批判を避け難い。

特に公共料金を引き上げざるを得ないということを知っていた政策当局者たちが、「物価はまもなく下がるだろう」という楽観論を展開してきたのは深刻な問題だ。急激なウォン安ドル高でインフレのリスクが再び高まった状況で、公共料金まで引き上げることになり、政府に対する国民の信頼だけを弱めた。最近は物価だけでなく、経常収支や通貨スワップ問題をめぐって政府と韓国銀行から食い違ったシグナルが出て、市場混乱が大きくなるという批判も提起されている。安易で不正確な政府の状況認識から変えなければ、韓国経済が直面している「パーフェクトストーム」をまともに乗り切ることができるか心配だ。