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小さな愛の詩

Posted January. 14, 2023 08:30,   

Updated January. 14, 2023 08:30

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詩人・黄東奎(ファン・ドンギュ)には有名な作品が多い。その中に「楽しい手紙」という詩がある。タイトルは楽しいのに、内容は楽しくなく、最後に少し微笑むことができる。このように黄東奎の作品には意外なタイトル、考えさせるタイトル、様々な意味に解釈できるタイトルが多い。この詩もそうだ。タイトルだけ見ると、若い青春の生き生きした甘い愛の話かと思う。だが全く違う。甘いどころか苦々しくもの寂しい。そうだ。これは心豊かになる愛の話ではない。むしろ愛を失った孤独で満たされている。詩の背景も冬、それも寒い夜、雪がはらはらとまばらに降る。もの寂しいうえ、体も冷え、愛する人がいないことを確認するにはちょうどいい環境だ。

昔、苦しい恋をしたことがあるという人だけがこの詩を好むというわけではない。この作品には感情的な共感ではなく魅力的な部分がもう一つある。詩には多くの言葉はないが、読んでいると映画を見ているようだ。まるで私が詩の中の話し手になって、寒い冬の街を歩き、空を見上げ、はらはらと降る雪を眺めているようだ。たった13行だが、想像のフィルムはクルクル回る。この作品が発表されて40年経ったが、長く記憶に残るのには理由があるものだ。